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「ふたば系ゆっくりいじめ 259 れいむのアンラッキーライフ/コメントログ」 取り換え子の話?幸運を呼ぶれいむだからお兄さんは殺さなかったの? -- 2010-07-07 23 52 11 餡子はケーキに使えないからかな? 記憶力悪いのに何故記憶しちゃったのか…それほど強烈だったのか… -- 2010-10-02 22 35 52 虐待じゃなくて怪談話じゃねえか -- 2011-12-29 15 53 07 実はケーキに本当はゆっくりを使用してて ありすの精子餡が混ざってたとかwwwww -- 2012-08-08 11 10 17 前編に出てきたありすがれいむの母親だからじゃないの? ありす種のDNAがれいむに入ってたからとか -- 2012-08-12 07 08 19
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雨さんはゆっくりしてるね 19KB 虐はゆるめです。 『ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね』続き。 まあ、タイトルで予想できるとおり、大体定番の展開ですので、 盛り上げるためにも前置きやら小ネタが必要になりました。 『雨さんはゆっくりしてるね』 D.O 夏。 今日も町は、餡子の底まで焼けつくような暑さだ。 一昨日、小学校に居たゆうかりんからもらった水は、もはや一滴も残っていない。 れいむは今日もおちびちゃんたちとともに、水を求めて町をさまよう。 「もうゆっくちあるけにゃいよぉ。」 不満を漏らす彼女は末っ子れいむ。 「ゆっくちがんばっちぇにぇ、ときゃいはじゃにゃいわ。」 それをいさめるのは長女ありす。 れいむ自慢のゆっくりしたおちびちゃんたちだ。 でも、このままじゃおちびちゃんたちもゆっくりできなくなるよ。 ゆっくりしないでおみずさんをみつけないと。 れいむ一家が朦朧とした意識で這い進んでいると、何やら目の前に、 ゴミ捨て場さんによく似た小さな山が見えた。 「ゆう・・・ゆっ?なんだかこのはこさんゆっくりできるよ?」 「ちゅめちゃーい!ゆっくちー!」 「しゅーりしゅーりしゅると、とっちぇもしゅじゅしいわ。ときゃいはー!」 「おちびちゃんたち、ちょっとここでやすもうね!」 「「ゆっくちー!」」 「「「すーや、すーや・・・。」」」 「よーし、湯土郎!荷物積み込んだらとっとと車に乗れー。」 「キャンプッ!キャンプッ!」 ブロロロロロロォォォォォ・・・ 「「「ゆっ!?」」」 「あれっ?とーちゃん、ゆっくりが乗ってる。」 「なんだとぉ?」 彼女たちが冷たいと喜んでいたのは氷を満載したクーラーボックス。 ゴミ捨て場に見えたのはキャンプ用品の山である。 こうして彼女たちは、予想だにしない形で町の熱気から解放されたのだった。 「いや、そこらに置いて行こうよ湯土郎、野良ゆはゆっくりできないってばっちゃが言ってたぞ!」 「こんなトコに置いてっちゃかわいそーだろ! 仲間のいるところに返してやろーよー。」 親子が話し合う中、人間さんのすぃーに無断で乗ってしまったことに気づいたれいむ一家は、 奥歯もかみ合わないほど震えあがっていた。 だが、彼女たちの心配は良い意味で裏切られる。 結局父が折れた。 「ありす、ゆーどろごっこしようぜ!」 「ぷきゅぅぅぅぅぅうううう!ぷきゅるるるるーーーー!ゆっくちー!」 「な!たのしいだろ!」 あにゃるからストローで息を吹き込まれるたび、 長女ありすは自分がいつもより大きく膨らんでいるような気がして、とても喜んでいた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 巷のゆっくり愛好者に人気のキャンプ場『虹浦ゆーキャンプ』。 このキャンプ場は、近くに大人の足首程度の水深の小川と、捕食種の住みつかない恵み豊かな森を有しており、 多くの人懐っこいゆっくりたちが住みつく、素晴らしいゆっくりプレイスだった。 「「「ゆっゆーーー!!!」」」 「じゃーね、れいむ!ここならたくさんゆっくりした友達がいるから、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 れいむ一家は人間さんの親子に別れを告げると、仲間達のにおいをたどって森へと入って行った。 美しい緑に興奮しつつ、れいむ一家が森を進んでいると、 木の影から、 岩の隙間から、 崖の上から、 いつの間にか、無数のゆっくりの視線がれいむ一家を取り囲んでいた。 森のゆっくり達は見かけない顔のれいむに、距離をとりつつもゾロゾロと集まる。 向けられるのは好奇の視線。 町の排気ガスと油に汚れた体、水不足と食料不足でゆっくりできていない下膨れ、森のゆっくり達とはまるで別物。 れいむ一家自身も明らかな差を自覚し、さらし者にされているかのよう、いや、実際さらし者にされていた。 それは、かつて飼いゆっくりの集まる公園にあんよを踏み入れた時の感覚に似ていた。 「ゆっくりしていってね!」 その静寂を破ったのは、森ゆの中でもひときわゆっくりしていた、一匹のまりさだった。 まりさは周囲のゆっくり達よりさらに一歩れいむに近づき、れいむの瞳をじっと見つめていた。 その視線は鋭かったが、なぜかゆっくりできないものではなく、れいむ自身もまりさに目を合わせた。 そして数時間にも感じられる数秒が過ぎたころ、まりさは再びお口を開いた 「みんなっ!このれいむたちはゆっくりできるよ。みんなもいっしょにゆっくりしてね!」 「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 れいむ一家は、こうして森に迎え入れられた。 木々の木陰はひんやりと涼しく、町の猛暑を餡子がとろけるほどに味わっていたれいむ一家にとっては、 まさに別世界だった。 ゆっくりひなたぼっこ。ごはんはどちらを向いても山のようにある。 小川の清水は、おちびちゃんたちの全身に染みついた町のホコリを清めてくれた。 全身を清め終えたれいむ一家は、栄養状態こそそこそこだが、いまや森ゆに負けない美ゆっくり達となっていた。 「べっ、べつにそんなにゆっくりしてるとかおもってないわよ!ちょっととかいはだからってちょうしにのらないでねっ!」 「とっちぇもゆっくちできりゅわ!おにぇーしゃんはとっちぇもときゃいはにぇ!」 「なっ、なによ!ありすをほめたって、このあまあまのきのみさんくらいしかでないわよっ!」 「ありがちょー。」 今や、だれが見てもれいむ達は立派な森ゆであろう。 そして数日後。 そんな美ゆっくりとなったれいむに、まりさが惹かれたのか、 ゆっくりしていなかった自分を森に受け入れてくれたまりさに、れいむが惹かれたのか、 確実なことは、まりさとれいむが周囲のゆっくり達公認のカップルとなったことだった。 むろん新参のよそ者と、森でもそのゆっくりっぷりが評判のまりさが恋仲となるので波紋は生じる。 例えば、 「ふんっ!そんなれいむをすきになるなんて、まりさもとんだいなかものだったのねっ!」 捨て台詞を残して去って行ったのは、まりさと並ぶ美貌を誇っていた、つんでれありすだ。 お察しのとおり、彼女はまりさのことを愛していたが、厄介な性格のせいで告白できなかった。 これまたお察しのとおり、まりさ以外の森ゆ全員が彼女の想いを知っていた。 所詮は個ゆっくり間の色恋沙汰など、誰も進んで関わりたがらなかったが。 「「「「「わかるよー。」」」」」 他のゆっくり達はわりかし物分かりがよく、お祝い事を素直に喜んでいた。さすがにゆっくりである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 今日も見事な青空だった。 空には大きな大きな入道雲。 森のみんなは狩りもそこそこで終わらせて、浅い小川でサッと水浴び、 そのあとは岩の上で横になり、日光浴ですっきりーする。 みんながゆっくりしている姿の中にあっても、まりさは本当にゆっくりしていた。 おちびちゃんたちと水浴びを終えたれいむは、ふと以前から持っていた疑問を投げかけてみた。 「ねぇ、まりさ。」 「なに、れいむ。」 「はじめてあったとき、まりさはどうして、れいむとゆっくりしてくれたの?」 「・・・・・・。」 「れいむは、よごれてて、やせてて、とってもゆっくりしてなかったよ。どうしてゆっくりさせてくれたの?」 「・・・なんとなくだよ。」 「?」 ゴロゴロゴロ・・・ 「なんとなく、れいむはゆっくりしてたよ。それだけだよ。」 「ゆ、ゆーん。なんだかれいむもよくわからなくなってきたよ。まりさはれいむのこと、ほめてくれてるの?」 「よくわからないよ。」 「ゆがーん!」 「それに、そんなのどうでもいいよ。まりさは、れいむのことがだいすきだよ。それだけでじゅうぶんなんだよ。」 「まりさ・・・。」 ゴロゴロゴロゴロッ・・・ 「れいむ・・・。」 見つめあう二匹。 だが、れいむがまりさの下膨れにうっとりとしていたその時、まりさは突然はっとして、空を見上げた。 まりさは気づいたのだった。 先ほどまで何事もなかった自分のお肌が、しっとりと濡れていることに。 「!」 慣れ、 気の緩み、 れいむともっとゆっくりしたいという願望、 いずれか、あるいはその全てであったかも知れない。 まりさは出せる限りの大声で叫んだ。 「みんなっあめさんがふるよ!ゆっくりしないでおうちにもどってね!!!」 まりさは、その大して長くもないゆん生において、 数えることができるほどしか(具体的には3回以下)してこなかった、 そして、もっとも致命的な失敗を犯した。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− まりさの声が川原に響いた瞬間、 ピッッッシャァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンン!!! 雷鳴。 そして、次の瞬間 「「「わがらにゃぁぁあああああ・・・・・・・・・!!!」」」 桶の底を叩き割ったような大雨。 小川で水浴びに興じていた数十匹のゆっくりが一瞬で砕けちった。 かろうじて森の中に逃げ込んだれいむたち。しかしまだまだ安泰とは言えない。 「このあめさんは、はっぱさんじゃふせぎきれないよっ! みんな、まりさといっしょにどうくつさんにいくよ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆぁぁ・・・」 「ゆびっ・・・」 「やめじぇぇぇ・・・」 「あめざんやべじぇ・・・」 「あんよが、あんよが・・・」 「「「ゆっぐりざぜでぇぇぇぇえええええ・・・!!!」 「おぎゃあじゃぁぁん・・・」 「ばりざぁぁぁあ・・・」 「・・・をつかわざるをえない・・・」 「ぎゃぼ・・・」 「こんなのおかしいよぉ。」 ほんの少し前までここはたしかに至高のゆっくりぷれいすだったはずなのに。 今、れいむの眼前には地獄絵図が広がっていた。 もともと森の人気者だったまりさの周囲には、いつのまにか多くの森ゆたちが集まり、 一緒に洞窟に向けて、なるべく深い茂みの中を進んでいた。しかし、 「おきゃあしゃ『ボタッ』ゆびっ・・・。」 「おちびちゃん?おちびちゃぁぁぁあああん!!」 茂みをくぐり抜けた雨粒は、肌の薄い子ゆ、赤ゆ達を確実に狙撃していく。 しかし、森の豊富な食糧によって大きく育った赤ゆたちすべてをおくちの中に避難させることはできない。 れいむ一家にしても状況は深刻だ。 ここ数日の食生活のおかげもあってか、長女ありすも末っ子れいむも、急速に子ゆっくりサイズ近くへと成長してしまった。 もはやおくちの中に入れて運んであげることなどできない。 れいむ達は、自分と、おちびちゃんの頭上に死が降りかからないことを祈ることしかできなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おちび、しげみさんのおくにきなさい!おちびのくせにあめさんにぬれるつもり!」 「ゆあーん。でもありしゅおにぇーしゃんがぬれちゃうよぉ」 「あっ、ありすはへいきにきまってるでしょ!すこしあめさんにぬれたいきぶんなのよ!」 「ゆーん、ありしゅおにぇえ・・・ゆ?」 「ゆぁぁぁああああん!!!ありしゅおにぇえちゃんのおかおがくじゅれちゃっちゃよぉぉぉおおお!!!」 「いや・・・いやぁぁぁあああ!!!」 「ありすっ、おちついてよー!」 「こんなのとかいがじゃないわぁぁぁぁぁぁ。」 「ありすー、だいじょうぶだよー、ぺーろぺーろしたらよくなるよー。」 「だめぇ、こんなゆっくりしてないおかおじゃ、まりさのちかくにいられないのぉ。 ありすみたいな、いじわるでゆっくりできないゆっくりが、おかおまでゆっくりできなくなっちゃったらぁ・・・。」 「・・・ちがうよー。ありすはやさしくってゆっくりできるありすだよー。 ちぇんはずっとすきだったよー。おちびちゃんをまもってけがしちゃったありすはもっとすきになったよー。 わかるー?」 「ちぇん・・・」 「あめさんがやんだらちぇんとずっとゆっくりしてほしいよー。 へんじはこんどでいいよー。わかってねー。」 「・・・・・・。」 つんでれありすは気づかない。 愛の告白をした、ちぇんの尻尾の付け根はすでにふやけて痛々しく裂けており、 ありすとすーりすーりするたびにチョコレートを大量に流していたことに。 ちぇんは気づいていない。 ありすの崩れた顔は、もはや皮としての強度を持ち合わせておらず、 ちぇんとすーりすーりするたびにカスタードを大量に流していたことに。 その光景を眺めていた赤まりさは、 彼女たちのあまりにゆっくりした姿に、自分も加えてもらおうと、 餡子をボロボロとこぼすあんよでゆっくりと這い進み、二匹にそっと寄り添った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 一方れいむ一家はまりさや森ゆ達と茂みを進んでいたが、 普段は雨さんから守ってくれるはずの葉っぱさんから、さらに大粒になった水滴が降り注ぐ中で、 赤ゆ、子ゆから次々に餡子を散らしていく。 「ゆぴっ・・・・」 「ゆげぇ・・・」 「おちびじゃん、おちびちゃんがぁぁぁ・・・ゆべぇ。」 いつのまにか周囲には、れいむ一家とまりさ以外は誰も居なくなってしまっていた。 「おきゃあしゃん・・・もぉあるけにゃいよぉ。」 末っ子れいむがついに弱音を吐き始めた。 とはいえ今回ばかりは甘えだとも言い切れない。 事実末っ子れいむと長女ありすのあんよはぶよぶよにふやけて限界まで来ていた。 まりさが2匹を、帽子に交互に入れてあげてはいたが、 洞窟が見えるところまで来て、ついにれいむ達は完全に身動きを取れなくなった。 れいむ一家は近くにあった木の洞に隠れる。 「まりさ、まりさもきのあなさんのなかにはいってね。」 「まりさはおぼうしがあるからへいきだよ!れいむたちこそもっとおくにはいってね!」 「おきゃあしゃぁぁあん、このあなしゃん、おみじゅしゃんがはいっちぇくるよぉぉ。」 しかし、ゆっくり達のおうちに使われてないだけあり、 その洞はあまりに小さく、雨から完全に身を守ることはできなかった。 その時、少しだけ雨が弱まった。 あんよが濡れる危険があろうとも今洞窟に向かうしかない。 「れいむ、これからおちびちゃんといっしょに、どうくつさんにむかってね。」 「「まりしゃおにぇーしゃん?」」 「まりさ、なにいってるの?」 「よくきいてね。まりさだけならこのあなさんのなかでもだいじょうぶだよ。 でもおちびちゃんたちまではむりだよ。」 「まりさをおいてなんていけないよ! それにれいむたちはおぼうしがないから、あめさんのなかをどうくつさんまでいけないよ。」 「れいむはまりさのおぼうしをかぶってね。 おちびちゃんたちは、きゅうくつでもおぼうしのなかにはいってね。とにかくまりさはここにのこるんだよ。」 その時れいむは、洞に入らず雨にさらされ続けていたまりさのあんよが、 ろくに動かせないほどふやけていることに気づいた。 「ありしゅものこるよ!」 「なにいってるの、おちびちゃん!」 「まりしゃおにーちゃんがいりゅからだいじょうぶだよ。 おきゃーしゃんは、りぇいむをちゅれてどうくつさんにいっっちぇにぇ!」 普段ならば、いかにおちびちゃんの言葉とは言え、じゃあゆっくりのこってね、とはいかない。 しかし、 「わかったよ。おちびちゃんはまりさとゆっくりしていってね。」 れいむは、末っ子れいむだけを帽子に入れて、洞を飛び出していった。泣き叫ぶのをこらえながら。 「ありすはもう、あんよがやぶれちゃってたんだね・・・。」 「でも、もういちゃくにゃいんだよ。へんだにぇ・・・。」 「おそとはつめたいよ。まりさのおくちにはいってね。」 「まりしゃおとーちゃんのおくち、あっちゃきゃいにぇ。」 「がんばったね、おちびちゃん。もうきょうはすーやすーやしようね。」 「ゆっくち。おとーしゃんのおくち、とっちぇもときゃいはにぇ。おきゃーしゃんとおなじくらいゆっくちしちぇるよ。」 「ゆっくりしていってね、おちびちゃん・・・」 「おやしゅみにゃしゃい・・・」 木の洞にあった丸い影は、少しずつ形を崩していき、ついには赤いカチューシャの他に何一つ痕跡を残さず消え去っていった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 洞窟内には、周辺の群れも合わせて数百の家族がひしめきつつ、一様にすすり泣いていた。 「まりさぁぁ・・・」 「おとうしゃぁぁぁあああん・・・」 家族たちの中には、ゆっくりまりさのとんがり帽子をかぶったありすやちぇんも多い。 そばに寄り添う赤ゆに、必ずと言ってよいほど赤まりさがいたことで、れいむはおおよその事情を悟ったのだった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 雨のあがった夕方、川原は、泥を洗い流すゆっくり達で、タコ焼き機を敷き詰めたような賑わいだった。 川の水も若干増水しており、流れもすっかり速くなっていた。 とはいえ元々きれいな水である。多少濁ってはいてもきれいきれいする分には問題なかった。 「かわさんはちょっとゆっくりしてないよ!おちびちゃんたちは、かわさんのなかにはいらないでね! おかーさんにきれいきれいしてもらうんだよ!」 「「「「「「ゆっくちりかいしちゃよ!」」」」」」 先代の群れの長まりさも永遠にゆっくりしてしまっていたため、 急きょ新しい長となった若いまりさは、群れのゆっくり達に注意を促す。 突然の任命に多少動揺していたものの、その眼には、誇りと責任感がはっきりと見て取ることができた。 群れは数を減らしはしたが、今後も安泰であろう。 「すっきりー!」 きれいに晴れた空を見ながら、れいむはまりさと赤ありすのゆっくりした下膨れを思い出す。 まりさ・・・ありす・・・ゆっくりしていってね。 れいむはふたりのぶんまでゆっくりするよ。 「おきゃーしゃん!りぇいみゅあのいわしゃんのうえでぽーかぽーかしゅるよっ!」 そこには、大きな岩が転がる川原の中にあって、ひときわ大きな岩があった。 子ゆっくりでも登るのは一苦労、ましてギリギリ赤ゆといった末っ子れいむでは転んで怪我をする危険もある。 「れいみゅひちょりでにょぼるよ!おきゃーしゃんはみちぇちぇにぇ!」 「ゆーん。おちびちゃん。あぶないよ。」 「れいみゅだいじょうぶだよっ! れいみゅも、まりしゃおにぇーしゃんみちゃいに、ありしゅおにぇーしゃんみちゃいに、 ゆっくちしたゆっくちにゃるんだよっ!」 「・・・おちびちゃん、たいようさんにゆっくりかわかしてもらってね!」 ありす、まりさ。ふたりがいなくても、れいむはもうなかないよ。 おちびちゃんが、あんなにゆっくりてるから。 だから、おちびちゃんを、ずっといっしょにみまもっててね・・・。 末っ子れいむは、お母さんれいむにキレイに泥を落としてもらうと、 日向ぼっこをするために、川原から少しのぼった先の岩の上に駆け上がる。 ぴょんっ! ぴょんっ! ぴょんっ! ドドドドォォォォオオオオオオオオオオオ・・・・・・・ ぴょんっ!「ゆっ!」 ぴょんっ!「ゆっくち!」 ぴょんっ!「あともうしゅこちだよっ!」 ぴょんっ!「ゆぅーん!」 「おきゃーしゃんっ!れいみゅひちょりでのぼれちゃよっ!!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」 。 末っ子れいむが振り返ると、そこには先ほどまでの2倍以上の幅、10倍どころではない深さとなった濁流が、 とてもゆっくりしてない速さで流れていた。 ついさっきまで水浴びを楽しんでいた群れのゆっくり達は、どこを見ても影も形もない。 山津波。 それは上流で山地に蓄えられた水が、豪雨などにより貯水限界を超えて、土砂を巻き込み一気に流れ落ちる現象。 野生のゆっくり達にとっても、その川の姿は想像を超えていたことだろう。 「おきゃーしゃん。ゆっくち・・・しちぇいっちぇにぇ・・・。」 末っ子れいむは、小首(?)をかしげつつ、いつまでも母を呼び続けるのだった。 前作『真夏はゆっくりできるね』では脇役がヘタにキャラ立ちしていたため、おまけSS作成が大変でした。 今回はほぼ全員にしっかりトドメを入れておいたのでおまけは書かずに済みそう。 でも、雨ってやっぱり味気なくてイマイチ面白くなりませんね。すみません。 小ネタに頼らざるを得ないのは悪い傾向です。 ちなみに『ゆうかりんのご奉仕授業』の校長の名前は倉塚先生でした。 あと、『ゆっくりのみるゆめ』の虐待お兄さんは天霧さんです。 過度な絵師さんいじりにはならないよう、なるべくイメージと遠いキャラに、名前を使わせていただいております。 苦情があったらやめますが。 実は、登場予定だった長まりさと側近みょんを削っています。だって悲劇にならなかったんですよ。 (一部抜粋)「もうまりさはここまでだぜ。みょんははやくどうくつにむかうんだぜ。」 「何言ってるんですかい、おやっさん。最後までお供させていただきやすぜぇ。みょん。」 「ばかなこといってるんじゃないんだぜ。みょんはむれのこれからにひつようなゆっくりなんだぜ。」 「ふっ。あっしみてぇなロートルが残ったところで、若けぇもんに腫れもの扱いされんのがオチでさぁ。 それに、おやっさんと三途の川ぁ渡って、あっちでひと暴れすんのが楽しみってもんでさぁ。みょん。」 「ふぅ・・・つくづくどうしようもないみょんなんだぜ。もういいんだぜ、ここまでにしてくれだぜ。」 「介錯は任せてくんなせぇ。あっしもすぐにお供させていただきやすぜ。みょん。」 ギャグですね。 ※次回予告 最愛の母と姉を失いながらも赤れいむは強く生き続ける。 そして、町に戻った彼女が母と同じ大きさに育った頃、彼女に最後の試練が降りかかるのであった。 次回、D.Oが送る季節モノ系SS最終回『クリスマスイブさんはゆっくりしてね』(仮)。 まあ、あんまり期待しないで待っててください。ダラダラ書きます。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業 D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る のだめ・・・? -- 2011-10-18 22 53 30 移動中に「をつかわざるをえない」って言ってるやつがwwww -- 2011-08-22 11 13 10 シーン毎に映像が浮かびやすかった 面白かったです -- 2010-09-06 08 17 51
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あるてんこの一生 メスブタの群れ 33KB ギャグ 自業自得 希少種 加工場 虐待人間 餡子ンペ09出展作品第4弾です ※駄文、稚拙な表現注意。 ※俺設定注意 ※すさまじいまでの希少種優遇あり。 ※絵本あきリスペクト箇所あり。 ※東方キャラとよく似た人物が出ますが関係はありません。 ※メス豚という言葉がゲシュタルト崩壊しています。 ある山のふもとの繁華街の近く。青々とした雑草のしげる平原にその群れはありました。 ごくごく普通の巣穴に、ゆっくりが赤、子ゆっくりあわせても30匹程のこれまたごくごく普通な規模の群れ。 ただひとうだけ他の群れとは違うことがあります。 この群れに住んでいるのはゆっくりてんこのみ。この群れはドMてんこの群れなのです。 「餡子ンペ09」あるてんこの一生 メスブタの群れ 作、長月 ゆっくりてんこ。 一部を除き、超が付くほどドMな希少種で、他のゆっくりが嫌う雑草、虐待おにいさん、加工所、れいぱーをこよなく愛すゆっくり。 あまりに他のゆっくりと違う価値観に「ゆっくりできないやつ」として群れから追放されたり、飼いゆっくりとしても「ドMすぎて気 持ち悪い」と捨てられることも多い種でもあります。 そんなてんこ達が集まって作ったコミュニティ。それがこのてんこの群れなのです。 「てんこってばめすぶたね。」 「あらてんこのおぼうしこそすてきなめすぶただわ。」 意味不明な会話をするてんこ達。しかしこれがてんこ種にとっては当たり前の会話なのです。 てんこにとって、めすぶた、とはゆっくりできるものや肯定的にとらえられるもの全てに使われるもので、極めて汎用性の高い言葉。 ドMてんこのゆ伝子レベルで組み込まれている、ゆっくりありすにとってのとかいはに当たる言葉といえます。 しかしこれはてんこの特性の一部にすぎません。 ここは群れにあるてんこの巣。この巣には胎生にんっしんっをして出産間近なてんこがいます。 今ここで群れに新たな仲間が加わろうとしているのです。 「がんばってね、てんこ。がんばってめすぶたなあかちゃんをうんでね。」 「おさもきてくれたよ。げんきなこぶたちゃんをうんでね。」 励まし続ける長てんこと父てんこ。子供が生まれそうと聞いて長てんこも来てくれました。 「ハアハア、だいじょうぶよ。このていどのしゅつさんぷれい、たえてみせるわ。」 そう答える妊婦てんこ。陣痛で痛いはずなのにやけに嬉しそうなのはきっと我が子が産まれるのが楽しみだからでしょう。そういうことにしておきなさい。 「うまれるぅううう!!!うわれるわぁああああああ!!!!」 いきみ続ける妊婦てんこ。そしてついにその時が訪れました。 すぽーん。 音をたてて妊婦てんこのまむまむから飛び出す赤てんこ。放物線を描いた後見事に着地に成功しました。 「ゆっきゅりいじめちぇっちぇね。」 「ゆっくりいじめてってね!!」 てんこ種特有のごあいさつを両親にする赤てんこ。それに両親がこたえます。 「ゆゆーん。かわいいめすぶたなこぶたちゃんだよ。」 「ほんとうにめすぶたそのものだわ。」 大喜びの両親と長てんこ。すぐさま赤てんこに駆け寄ります。ゆっくりの親愛行動であるすーりすりをするのかと思いきや。 「ゆっくりいじめられてねっ!!」 体当たりで赤てんこをふっとばす両親てんこ。赤てんこは狭い巣の中でピンボール状態で飛んでいきました。 実はこれ、虐められる楽しさを子供に伝える為の行為で、てんこ種だけに見られる誕生後の通過儀礼なのです。 「ゆゆーん。もっちょお、もっとてんきょをいじめちぇにぇえええ!!」 大喜びでもっとして欲しいとおねだりする赤てんこ。すっかりドMの波動に目覚めたようです。 「もちろんよ、おちびちゃん。あんこのずいまでいたぶってあげるからね。」 「めすぶたなおちびちゃんは、ぼろぞうきんになるまでひゃっはーしてあげるわ。」 そういって赤てんこへ体当たりの波状攻撃をかける両親てんこたち。どう見てもDVなのに全員笑顔なのはちょっと異様な光景です。 ゆっくりてんこは死ぬ寸前まで虐められたあと復活すると大きく耐久力がアップするのですが、その本能がさせるのでしょうか。 どちらにしても異常なまでのタフネスと回復力をほこるてんこだからできる行為です。 幸せそうなてんこ一家の声を聞きながらそっと立ち去る長てんこ。家族の団欒の邪魔をしてはいけないと思ったのです。 その後てんこ一家の巣穴からは家族の笑い声と衝突音がずっと絶えませんでした。 巣穴から出た長てんこは群れを巡回し始めました。長の仕事は群れの中のパトロールも入っているからです。 この群れは長老てんこ、長てんこ、幹部てんこというシステムで成り立っていて、長てんこと幹部てんこ数匹が実質的に群れを取り仕 切り、長老てんこはなにか重大な用件があるときのみ登場するようになっています。 群れのある草原と隣にある幻想町公園で思い思いにゆっくりしているてんこ達。基本的に雑草を食べることを好むてんこ達は食事はそ の辺の雑草を食べればいいので狩りをする必要がほとんどありません。一日の大半をドMプレイに費やしています。 あるものはお互いに体当たりしあったり、あるものは枝で突っつきあったり、あるものはメスブタな歌を歌ったりしています。 そんなてんこ達の写真を取ったり、あまあまをあげたりする町の人達。てんこはこの公園の名物なのです。 そんななか公園の湖に浮かぶゆっくりが一匹。水上まりさならぬ水上てんこです。 てんこのおぼうしは、まりさのものと違い浮かぶのには適していないのですが「死と隣り合わせのこのスリルがたまらない。」と一部 のてんこたちに根強い人気があります。 この水上まりさプレイ、一歩間違えば死ぬことになりますが、てんこ達はまったく気にしていません。 ドMに産まれ、ドMに生き、ドMに死ぬことこそがてんこのさだめ。 メスブタに逃走はない。退かぬ、媚びぬ、省みぬ。それがてんこのドM道。 自分達の信念の為なら死すらいとわないその姿勢は感動すら覚えます。ある意味で。 「ゆゆーん。おさ。きょうもめすぶたね。」 「あら、おばちゃん。ゆっくりいじめてってね。」 長てんこに声を掛けたこのゆっくりはおばちゃんてんこ。群れでは長老の次に高齢なてんこでおばちゃんの愛称で親しまれています。 「ふふっ、あのちょうろうにひろわれてきたおちびちゃんがこんなにりっぱなめすぶたになるなんてねぇ。」 「ゆぅ。おばちゃんたら。てんこだっていつまでもこぶたちゃんのままじゃないわ。」 長てんこは赤ゆっくりだった頃、両親をなくしています。 なんでも二匹で水上まりさプレイをしていた途中、突如現れた謎のシャチに乗ったお兄さんが「このメスブタ達をさらえとガイアが俺に囁いている」とさらっていったそうです。 おかげで姉妹もいない長てんこは一人ぼっち。幸い食料は他の大人てんこたちがくれるので飢えることはありませんでしたが寂しくてゆっくりできないことには変わりありません。 世界中の全てに放置プレイされているような孤独。幼い長てんこはいつも親子づれを見て寂しい思いをしました。 そんな長てんこを見かねて長老てんこは養子にしてくれたのです。 長てんこは思います。長老がいたから、長老が自分を放置プレイしなかったからこそ今の自分はある。 その後、長老てんこに長としての教育を施された長てんこはめきめきとリーダーとしての頭角を現し、半年前、当時長をしていていた てんこに代わり長に就任。 現在も我が子同然に育ててもらった恩を返すべく長として職務を遂行する毎日を過ごしています。 「ところでいつもこのへんであそんでるおちびちゃんたちは?きょうはいちどもみてないんだけど。」 「そういえばみないわねぇ。おさもしらないの?」 「まさかまたあそこにいったんじゃ・・・ちょっとつれもどしにいってくるわ。」 ポインと跳ねる長てんこ。行く先はてんこたちの群れがある場所から100メートルほど西にいった場所にある建物。 加工所です。 「うぎゃあああああ!!!じにだぐなぃいいいいいいいい!!!」 「だれかぁああああ!!!までぃささまをたすけるんだぜぇええええ!!!」 今日もゆっくりたちの悲痛な叫びがこだましています。ここは加工所。捕まえたゆっくりたちを処分すべく職員達がトラックから檻に入っているゆっくりを加工所のなかに運び入れている最中です。 それを羨望のまなざしで見つめる二匹の子ゆっくりたち。てんこの群れからぬけだした子てんこたちです。 「ゆゆーん。いいなあ、てんこもはいりたいわ・・・」 「でもてんこたちはいれてくれないよ・・・」 「ゆぅ・・・・」 ため息をつく子てんこ達。基本的に通常種を駆除する為にある加工所へは、希少種であるてんこは入れないのです。 ただでさえ愛護団体の抗議が激しい昨今、何もしていない希少種を殺しでもしたらそれだけで大問題。 ましてや観光スポットになりつつあるこのてんこ群れのゆっくりを駆除したらてんこファン達が暴動を起こしかねません。 「こらっ!!あなたたち!!」 その時子てんこ達の背後から大きな声がしました。おそるおそる振り返ると怒った長てんこが仁王立ち(?)していました。 「ここへきてはだめって、いつもいってるでしょ!!まったく。」 「ゆぅ・・・」 怒られてしょんぼりとする子てんこ達。 「ほらかえるわよ。ここにいたらにんげんさんたちのじゃまになるわ。」 「ゆぅ・・・でも・・・」 子てんこ達は名残惜しそうに加工所のほうをチラチラと見ています。 てんこ達にとって死ぬまで虐めてもらえるという加工所は究極のゆっくりプレイスであり理想郷。 そう簡単にあきらめきれるものではありません。 しょうがないなとため息をつく長てんこ。こうなれば最後の手段です。 「いうこときかないわるいこはめでおにいさんにさらわれちゃうわよ。」 「ゆっ!!めでおにいさん!?」 「そうよ。めすぶたでないわるいてんこはみんな、めでおにいさんにさらわれちゃうのよ。」 明らかに顔色が変わった子てんこたち。顔面蒼白でガクガクと震えています。 「そしていっしょうあまあましかたべられず、いたいいたいこともされないで、ママやパパにもあえないわ。ほらあのしげみのうしろにめでおにいさんがみているわ。わるいおちびちゃんたちをさらいにきたのよ。」 怯える子てんこ達に畳み掛けるように話し続ける長てんこ。当然しげみに愛でお兄さんなんて嘘っぱち。 愛でお兄さんを怖がるてんこ達の習性を利用した子ゆっくりの躾法です。 実際、愛でお兄さんが何も知らずにドMてんこを飼った所、ストレスで死んでしまった例はいくつもあります。 虐められず延々と愛でられ続ける生活にドMなてんこは耐えられなかったのです。 「ほーら、おにいさん。このめすぶたでないおちびちゃんたちをつれていってね。このこたちはおとなのいうことをきかないとってもわるいこたちなんだから。」 「ゆわーん。ごめんなしゃいい!!」 「てんこ、めすぶたになりますぅうう!!だからつれてかないでぇえええ!!!」 恐怖のあまりわんわんと泣き出す子てんこ達。どうやら薬が効きすぎたようです。 「おちびちゃんたちが、いいこぶたちゃんになったから、めでおにいさんはどっかいっちゃったわ。さあかえりましょう。」 「ゆぅ・・・ぐすぅ。」 子てんこ達をなだめながら帰り始める長てんこ達。 長てんこも子ゆっくりの頃、加工所へ行きたいと駄々をこねては、長老てんこに同じことを言われて育ったのです。 歴史は繰り返すものですね。 「そこのくぞてんこどもぉおおおお!!!までぃささまをたすけろぉおおおお!!!」 「おねがいじまずぅううう、てんこさまぁあああ!!でいぶをここからだしてぇえええ!!!」 「はいはい。君達はここでゆっくりしてってね。遠慮しなくていいのよ。」 「「「どぼじでそんなこというのぉおおおおお!!!」」」 野良ゆっくり達の叫びが見事なハーモニーを奏でました。 子てんこ達を無事、両親に送り届けた長てんこ。少し休憩しようと川のほとりで休んでいると 「おさ!!こんなところいたの。さがしたわ。」 「どうしたのてんこ。そんなにあわてて?」 現れたのは群れの幹部てんこでした。なぜかとても慌てています。 「たいへんなのよ。げすまりさが・・・げすまりさたちがきたの!!」 「ゆっ!?ほんとうなの、それは?」 「みんなはさきにいってるわ!!おさもゆっくりしないで、はやく!!」 「わかったわ!!あなたは貯蔵庫からアレをもってきて。」 大急ぎで現場へ向かう長てんこ。幹部てんこたちも貯蔵庫へ向かいます。 「ゆゆーん、あまあましゃんもらったよー。」 そう言いながら飛び跳ねていく赤てんこが一匹。その口には人間から貰ったキャンディーがくわえられています。 雑草の苦味、辛味を一種のSMプレイとして捉えているてんこ種にとってあまあまは価値のないものですが、他のゆっくりとの通貨替わりに使うことができるので巣に貯蔵しておくのです。 「ゆっへっへ。まつんだぜ。そこのちび。」 そこに居たのは明らかに野良らしき数匹のまりさ達でした。赤てんこの持っているキャンディーを下卑た笑いを浮かべながら物欲しそうにしています。 「おまえのようなちびがあまあまをもってるなんてもったいないのぜ。まりささまがもらってやるからありがたくおもうんだぜ。」 リーダーらしきゲスまりさが言いました。それに手下達も続きます。 「いたいめみないうちにわたすんだぜ。」 「まりさたちはさいきょーのせいえいぶたいさんなんだぜ。さからうだけむだなんだぜ。」 「・・・・・・・」 「へっへっへっ。おそろしくてこえもでないんだぜ。」 ゲスまりさは何も言わない赤てんこを怖くて何もいえないと思いました。 しかし実際は違います。 赤てんこの顔に浮かんだのはゲスまりさへの恐怖でもあまあまを取られることへの怒りでもありません。 例えるなら新しいおもちゃを買ってもらったときの子供のような期待と興奮に満ちた表情。 「ゆゆーん。げすまりしゃが・・げすまりしゃがきてくれたよぉおおおお!!!」 「ゆっ!?げすまりさ!?」 「げすまりさ!?どこどこ!?」 それまでおもいおもいにどMプレイにふけっていたてんこ達が一斉に集まり始めました。 ゲスまりさを迎撃する為かと思いきや 「きゃー!!ほんとにげすまりさだわ!!みてみてあのうすぎたないごきぶりみたいなおぼうし!!」 「どぶがわのくさったようなおめめをしているわ!!」 頬を紅潮させながら興奮気味に話すてんこ達。珍獣を見つけた女子高生のノリです。 ちなみにてんこ達に悪気は一切ありません。ただあまりに素直すぎるだけです。 「まちなさい!!そのこをいじめるのならてんこをかわりにいじめなさいっ!!」 「てんこにばかりいいかっこはさせないわ!!やるならこのてんこをいじめてね!!」 「いや、あなたたちではむりよ。ここはこのてんこにまかせてね。」 「てんこをいじめてね。でないとあんたじごくにおちるわよ!!」 「がいあがささやいてるわ!!てんこをいじめろって。」 「てんきょをいじめてくりぇりぇばあまあましゃんをあげるよ!!」 「いまてんこをいじめればこのじゅうえんだまさんをきゃっしゅばっくちゅうよ!!」 どうやらゴキブリ以下のクソ袋に虐められるという行為がドMの琴線に触れたようです。 しかしこれに怒ったのがゲスまりさ達。まあ普通は怒りますよね。 「うがぁあああああ!!!なめるんじゃなんだぜぇえええ!!!」 怒り狂い猛然とてんこ達に襲い掛かるリーダーげすまりさ。手下まりさ達もそれに続きます。 「しぬんだぜっ!!」 「んほぉおお!!もっといじめてねぇえええ!!!」 激しい連続の体当たり攻撃。しかしてんこ達には効いていません。むしろ喜んでいます。 「へっ、いまのうちにほざいてるんだぜ!!あとでないてもしらないのぜ。」 一分後 「へっへっへっ!!そろそろないて、いのちごいをするんだぜ。まあしてもゆるさないのぜ。」 三分後 「ハァハァ、やせがまんはよすんだぜ!!いまならあやまればゆるしてやるんだぜ!!」 五分後 「ぜーぜー・・・いいかげんに・・するんだぜ・・・まいったって・・・いうんだぜ・・」 「もっと、もっとてんこをいじめてねぇええ!!!」 「どぼじでそんなこというのぉおおおお!!!まいったっていっでよぉおおお!!!」 涙目になりながら体当たりを繰り返すリーダーゲスまりさ。子分達はとっくの昔にあきらめているのですが、おそらくもう引っ込みがつかなくなったのでしょう。 ずっと体当たりをし続けたので体中あざだらけ。逆にてんこはつやつやしています。 所詮、子ゆっくりからあまあまをまきあげることしかできないヘタレゲスまりさの集まり。 生まれ持ったうたれ強さに加え、毎日のドMプレイによって耐久力をアップさせているてんこ達には傷ひとつ負わせることができないのです。 そんなボロボロのまりさ達に近づく影がひとつ。ゆっくりありすです。 「ちょっとまりさ、どうなってのよ!!」 眉間にしわを寄せリーダーゲスまりさに詰め寄ります。実はこのありす、リーダーゲスまりさのつがいで、今まで遠くで見ていたので すが、なにやら様子がおかしいので見に来たのです。 「いなかもののてんこをせいさいっしてあまあまをいただくんじゃなかったの?なにやってんのよ!!」 「いやこれはその・・・・だぜ。」 しどろもどろなまりさを罵倒するありす。そしてそれを興味津々で見つめるてんこ達。 「きゃあああああ!!!れいぱーありすよ!!」 「れいぽぅありす。てんこたちをれいぽぅするするつもりね!!」 「ち、ちょっと・・・ありすはれいぱーじゃないわ。とかいはよ!!」 必死に弁解するありす。ちなみにこのありすはれいぱーではなく唯のゲスです。 ですがてんこ達は聞いてません。ゲスありすイコールれいぱーと勘違いしています。 目をキラキラ光らせながらありすへ詰め寄ります。 「うそおっしゃい!!れいぱーはみんなそういうのよ。」 「むれのみんなにはてをださないで!!れいぽぅするならてんこにしてね!!ハァハァ。」 「あなたにはおちびちゃんがいるでしょう。ここはてんこにまかせなさい。だいじょうぶ!!きっといきてかえるから・・・」 「なにひとりでかっこつけてるのよ。てんこもつれていきなさい。しぬときはいっしょだわ。」 「いまてんこをれいぷっぷすればこのじゅうえんだまさんをきゃっしゅばっくちゅうよ!!」 「きゃあああああ!!!なんなのこいつらぁあああ!!!」 ジリジリと寄ってくるてんこ達のプレッシャーに耐えられず、一目散に逃げ出すありす。 それを見て同じく逃げ出す子分のゲスまりさ達。ボロボロのリーダーゲスまりさを置いて。 「まっでぇえええ!!!おいてかないでぇええええ!!!」 「やくにたたないりーだーはそこでしぬんだぜ!!」 「いなかもののまりさとはりこんよ!!」 そう言い残し、リーダーを見捨てわき目も振らずに逃げていきます。所詮ゲス同士の繋がりなどこんなものです。 「ここね。ゲスまりさがいるのは。」 そして長てんこも到着しました。遅れて幹部てんこ達も。てんこ達に囲まれリーダーゲスまりさ涙目です。 「ごべんなさぃいいいい!!!ゆるじでぇええええ!!!」 恥も外聞もなく土下座するまりさ。さっきまでの勢いはどこへいったのやら。 「あんしんして、まりさ。いまきずのてあてをしてあげるから。」 「ゆ!?」 思わぬ長てんこの言葉にまりさはきょとんとしました。 「ふーふー・・もうおってこないのぜ・・・」 「ハァハァ・・・まったくつかえないまりさだったわ。もっととかいはなだーりんをさがさなくちゃ。」 公園から逃げてきた子分ゲスまりさ達とゲスありす。なんとか逃げ切ったと安堵しています。 しかしゲスまりさ達は知りません。自分達が逃げている先は加工所であることに。 「主任、なんか加工所の前に居た野良ゆっくり捕まえたんですけど、どうします?さっきの奴らと一緒に運び入れときましょうか。」 「ああ。そうしておいてくれ。そのほうが俺達の成績にもなるしな。」 「「「だれかたづげでぇええええええ!!!」」」 ゲスまりさ達とゲスありすの叫びが見事なハーモニーを奏でました。 一方そのころてんこ達とリーダーゲスまりさは 「ゆっへっへ。それじゃあもらっていくのぜ。」 「ええ。うちのむれのてんこたちがたくさんいじめてもらったからそのおれいよ。ゆっくりうけとってね。」 ゲスまりさの帽子のなかにはたくさんのあまあまが入っています。先程、幹部てんこたちが貯蔵庫から持ってきたものです。 長てんこは始めから群れのみんながゲスまりさにどうこうされる心配など一切していませんでした。ドMてんこ達のタフネスは尋常で はなく、ドススパークを受けても平気なほど。せいぜい髪の毛がアフロでガングロになるだけです。ましてや普通のゲスまりさでは致 命傷を与えることなど夢のまた夢。 むしろゲスまりさ達が怪我をしないか心配で長てんこたちはやってきたのです。もし、ここの群れのてんこがゲスまりさに怪我をさせ たなんて噂が流れたらもう虐めてもらえなくなってしまいます。 幸いにもゲスまりさのキズは浅く、薬草を張り、あまあまを食べさせたらすぐ元気になりました。食べきれない分はおみあげです。 「またてんこたちをいじめにきてねぇえええ!!」 てんこ達に見送られながらゲスまりさは町のほうへ姿を消しました。 「ゆっへっへ。てんこたちからあまあまをぶんどってやったのぜ!!」 ニヤリと笑うゲスまりさ。全く敵として認識されず、てんこ達の好意でもらったはずがいつのまにやら実力で強奪したことになっています。土下座したことなどきれいさっぱり忘れて。 きっとてんこ達は自分に恐れをなしたからこのあまあまで許しをこうたに違いない。平気そうな顔していたが、内心やせ我慢していた のだ。そうだ。きっとそうなのだ。このまりさ様が最強なのだ。 ポインポインと町の大通りの方へ跳ねていくまりさ。このまりさの巣は山の中にあり、帰るとしたら逆なのですが。 「ゆふふっ、じじいどもをどれいにしてあまあまをたっぷりみつがせるのぜ。」 聞くところによるとてんこ達のあまあまは人間に貢がせているということ。ならば更に強いまりさなら人間どもを奴隷にできるはず。 もうあんな役立たずで薄情な子分やありすはいらない。じじいどもを子分にまりさ様にふさわしいゆっくりプレイスを築いてやろう。 さすが餡子脳。惚れ惚れするほどのバカっぷりです。 そうこう考えてるうちに大通りにでました。歩道を何人かの人間が歩いています。 「おいそこのババア!!!」 まりさ近くに居たは日傘を持った上品なババ・・お姉さんに声をかけました。 まりさは知りませんでした。この年がいもなくフリフリを着ているお姉さんにババアと言うことがどういうことなのかを。 一瞬ピキィと顔をしたババ・・お姉さん。しかし気をとりなおしたようにニコリと笑います。 「ねえババアって誰のことかしら。この若くて少女臭でピチピチなお姉さんに教えて。」 周りの空気がどんどん冷えていきます。しかしまりさは気づきません。 「はあ?ババアはババアなんだぜ。まったくババアだからみみでもとおいのかだぜ。ババアらしくぼけてないであまあま・・・ゆ?」 お姉さんから立ち上る陽炎のようなオーラにやっとまりさも気づきました。そのオーラの正体・・・それは殺気です。 「口のききかたを知らないクソ饅頭にはお仕置きが必要なようね・・・」 そこにはもう先程までの上品な婦人は居ません。般若のような顔をした女王様が立っていました。 ここにきてやっとまりさは悟りました。自分が絶対踏んではいけないトラの尾を踏んでしまったことに。 彼女の名前は八雲 紫。某スキマ妖怪と同じ名前ですが関係ありません。ここは幻想郷ではなく幻想町です。 株式会社ボーダー商事の女社長にして、この幻想町を表と裏で支配する女帝的存在で希代のドSクイーン。 彼女にババアと言って地獄を見なかった者は存在しません。 「ユカァ!!!」 「ゆべしッ!!!」 いきなり日傘で殴られ吹っ飛ぶまりさ。なおも紫社長の攻撃は続きます。 「ユカユカユカユカユカユカユカユカユカユカァ!!!」 「ゆげ・・・やめ・・・・ゆが・・・・・・」 華麗な空中コンボ。まりさにこれ以上ない痛みを与えつつ死なないような日傘のラッシュ。ドSクイーンだからこそできる芸当です。 この通称「ユカユカラッシュ」は全てのドMお兄さんを満足させる程度の能力を持っていると言われています。 もっともまりさはドMでないので死ぬほど痛いだけですが。 「ユカユカユカユカユカ、ユカァーリン(少女臭)よ!!キラッ!!」 コンボ終了でババァーんとジョジョ立ちする紫社長。まるでどこかのマンガの第5部キャラのようです。 なぜかそのあとキラッのポーズまでしています。もっと自分の年を考えるべきなのですが。 「・・・ずーりずり・・ゆ・・ゆっくりしないでにげるよ・・・・。」 紫社長がジョジョ立ちしている間に、ボロボロの体で尺取虫のように逃げようとするまりさでしたが 「ねぎぃ!!!!」 すぐに気づかれ、あにゃるに傘の先端をねじこまれました。 「なに勘違いしているのかしら。まだ私のお仕置きフェイズは終了してないわ。」 ずっとゆかりんのターン状態。もうこうなると止まりません。 「ふふっ。饅頭ごときが私に向かってババアだの、加齢臭だの、靴下が臭いだの、30にもなってフリフリ着るとかwwwだのよくも まあ言ってくれたわね。その代償高くつくわよ。」 後半はいっていないような気もしますが。 「だれが・・・だれがだづげで・・・」 「安心しなさい。殺しはしないわ。ただ少し無知無学なあなたに世間の常識ってものを教えてあげるだけよ。この紫お・ね・い・さ・ん、がね。」 「ゆべぇええええ!!!まりさのあんこさんかぎまわざないでぇえええ!!!」 傘をまりさのあにゃるに突き立てたまま、まりさを持ち帰る紫社長。 当然まりさの餡子は傘の先端でかき回されます。激痛のあまり悲鳴を上げ続けていますが紫社長は全くお構いなしです。 通行人もまったく気にしていません。ボーダー商事の奇行にいちいち驚いていたら幻想町では生きていけないのです。 ゲスまりさはこの後どうなってしまうのでしょうか。まあどうでもいいことですが。 そんなある日、群れの隣にある公園を散歩していた長てんこは一人のお兄さんに出会います。 モヒカン頭。裸革ジャン。無駄にヒャッハーと叫ぶそのさまは正に虐待お兄さん。 ズキゥウウウウウウウウン。 一目でてんこはそのお兄さんに恋をしてしまいました。 ゆほっ、いいお兄さん。思わずそう口にしてしまうほどです。 お兄さんもてんこが気に入ったらしく革ジャンをはだけながらこう言いました。 「ヒャハないか?」 ヒャハないか?それは虐待お兄さんがドMてんこを虐待に誘うときに使う言葉。 いじめられるのが大好きなてんこは思わずホイホイついていきます。 連れてこられた場所は公衆便所の男子トイレ。ここなら誰にも見られずにすみ邪魔も入りません。 「ヒャッハー!!!いいのかいッ?ホイホイついてきて。俺はノンケだって構わず虐待するようなやつなんだぜ。」 「こんなことはじめてだけど・・いいの。てんこ、おにいさんみたいなひとすきだから。」 「ウヒャッハー!!!うれしいこと言ってくれるじゃないのッ。それじゃあとことん喜ばせてやるからな。」 「お兄さん・・・」 「ヒャッハー!!てんこは虐待だッ!!!」 言葉どおりお兄さんは凄いテクニシャンでした。てんこは全身に与えられる激痛に身を震わせてもだえています。 この日以来長てんことお兄さんは良く会うようになりました。 そんなある日のこと、群れにある異変がおきました。 長てんこが自分の巣から出てこないのです。当然心配する群れのゆっくり達。 「おさ!!おねがいだからでてきてね。みんなしんぱいしてるわよ。」 「ゆっくりしないででてきてね。」 巣の前で長に出てくるよう呼びかけ続ける群れのてんこ達。しかし長てんこは一向に出てこようとしません。 中に入ろうにも枝や石を敷き詰めたバリケードがはってあって中に入れなくなっています。 「しょうがないわ!!ばりけーどさんをこわすわよ!!」 巣のバリケードにむかって体当たりし始めるてんこ達。数回体当たりするとバリケードが壊れ中に入れる程度の隙間ができました。 「おさ、だいじょうぶ・・・・ゆっ!?」 隙間から入る群れのてんこ達でしたが・・・・ 「どおしておさがにんしんっしてるのぉおおおお!!!」 そこにいたのは不自然にお腹の膨れた長てんこ。どうみても胎生にんっしんっしています。 「おさ、だれにすっきりーされたの!?」 「わかった、このまえきたれいぽぅありすね。なんてうらやましい・・・じゃなくてけしからんのかしら。」 「てんこがいってとっちめてくるわ!!そしててんこもれいぷっぷされてくる!!ハァハァ。」 「ちがう。ちがうのよ。わたしがにんっしんっしたのは・・・」 「ヒャッハー、話はすべて聞かせてもらった!!そこから先は俺が話そうッ。」 「ゆ!?おにいさん・・・」 長てんこは驚きました。そこにいたのはあのモヒカンお兄さんだったのです。 「ヒャッハー、それは俺の子なんだッ。そうだろ、てんこ。」 「・・・・・・・・」 「済まない、てんこ。俺が昨夜ムラムラして、下半身のオンバシラから出るケフィアをかけたばっかりに・・・まさかこんなことにな るとは思わなかったんだ・・・」 そうお兄さんとてんこは昨日の夜も会っていたのです。今日は仕事が休みなので昼間から来て今回の騒ぎにあったのです。まあ確かに 人間と不思議饅頭との間に子供ができるなんて普通思いもしませんが。 「・・・・・・・・」 「責任は取るつもりだ。たのむてんこ、俺と一緒になってくれ!!」 「だめよ、おにいさん・・・」 「ヒャハッ!?」 それまで黙っていたてんこが口にした拒絶の言葉にとまどうお兄さん。 「てんこはこのむれのおさなのよ・・・むれのみんなをおいてじぶんだけゆっくりはできないわ・・・」 「そ・・・そんな・・・」 ガクンと肩を落とすお兄さん。落胆のあまり、自慢のモヒカンもひしゃげ、真ん中わけのようになっています。 「どうしたらいいのかしら・・・」 「ゆう・・・」 困り果てる群れのてんこ達。ゆっくりと人間の子供はどちらも愛し合っていなければできない奇跡のはず。 愛し合う二人が引き裂かれることはゆっくりできないことです。 でも群れを大切に思う長てんこをむげにはできない。まさに板ばさみです。 「二人とも、ちょっとまってね!!」 その時群れの後方から大きな声がしました。 「ゆぅ、ちょっとみんなそこをどいてね。」 「ゆっ!!ちょうろう!!」 そこにいたのは長老てんこでした。慌てて道を開けるてんこ達。 もう10年以上生きているので、ゆっくりとしてはかなりの高齢ですが、体中のいたる所に傷痕、右ほほには銃創まであり、まるで死 線を何度も潜り抜けた歴戦の軍人のような顔つきです。 ゆっくりあっきゅんの群れに単身殴りこみをかけ3日3晩虐められたり 虐待お兄さんと100人組み手を行い、1週間ぶっとおしで虐待されたり ヤクザに虐められる為に事務所でおうち宣言して拳銃で撃たれたこともあるという、数々の武勇伝をもつ長老てんこ。 長てんこの育ての親でもあり、この群れの創始者でもあります。 「長・・・あなたは間違っているわ。そんな方法じゃ誰もゆっくりできないわ。」 「ちょうろう・・・てんこだっておにいさんとわかれるのはつらいわ・・・でもてんこにはできないわ。むれのみんなをほうちぷれいしてじぶんだけゆっくりしようなんて。」 放置プレイ、それはてんこ達にとって愛でお兄さんと同じくゆっくりできない言葉。 「そうね。確かにそれはゆっくりできないことだわ。でもあなたはもっと大切なものを放置プレイしようとしているのよ。」 「ゆ!?たいせつなもの?」 「それは貴方の・・・メスブタとしてのゆっくりよ。」 「メスブタとしての・・・ゆっくり・・・」 「貴方は今までのゆん生をすべて長の勉強とお仕事ですごしてきたわ。だからメスブタとしてのゆっくりを知らない。これは長老の責任でもあるわ。群れの長としてのゆっくり、それが貴方にとってゆっくりだとずっと信じてきた・・・」 遠くを見るような目をする長老てんこ。昔を思い出しているのでしょうか。 「でも今日お兄さんを見る貴方の目を見てそれが間違いだと気づいたわ。あなたはメスブタよ。どうしようもなく。ご主人様のお仕置きを物欲しそうに待つ卑しい卑しいメスブタなのよ。」 そう言うとスゥっと長老てんこは大きく息を吸いました。 「てんこ、お兄さんの所へ行きなさい。飛べないブタは只のブタなように、ご主人様のいないメスブタも只のブタなのよ。」 「でも・・・てんこはまだ・・・おんがえししてない・・・」 搾り出すように言う長てんこ。その顔は涙でグシャグシャです。 「バカ・・・親にとって一番の恩返しは貴方がゆっくりすることよ。」 ニッコリと笑う長老てんこ。その頬にも涙がつたっています。 「ありがとう、長老。ここから先は俺の仕事だ。」 いつの間にやらお兄さんがすぐ後に立っていました。モヒカンも雄雄しく復活しています。 「俺だけのメス豚になってくれ。てんこ。絶対におまえをヒャッハーしてみせる。」 静かに、だけどはっきり力強くプロポーズするお兄さん。 「はい・・・ごしゅじんさま・・・」 その熱い思いに長てんこもまた答えます。 「めすぶたよぉおおお!!!おさもちょうろうもさいこーにめすぶただわぁあああ!!」 「おにいさんもすてき!!さいこーにいかした、ぶたやろうだわ!!」 「おしゃがいにゃくにゃるなんてさびしいよ!!でもおしゃがめしゅぶたになるためにがまんするよ!!」 大興奮の群れてんこ達。みな感動のあまり泣いています。 「ヒャッハー!!おまえらだってメスブタだぜ!!!おまえらみんなメスブタだ!!ここはメスブタの群れだ!!」 「さあ、みんなであのおうたをうたうわよ。めすぶたなおさのために!!」 「ヒャッハーあの歌だな!!俺も歌うぜ!!」 おばちゃんてんこが音頭を取ります。てんこにとって歌とはひとつしかありません。 「なにをされていいわ。きもちがいいならー。」 長老てんこの歌声が 「かんじるいたみ、すべーてあまくはげしくー。」 おばちゃんてんこ達の歌声が 「きょうかいしにゃい。」 子てんこ達の歌声が 「反省もしない。ヒャハッ」 お兄さんの歌声が 「ようしゃない。おしおーきが、いますぐほーしい。」 長てんこの歌声が 「なぶられーたかまりゆく、きらめーく、うちょうてんへー」 みんなの歌声が一体となり見事なハーモニーを奏でました。 えっ?イオ●ス?有頂天マゾヒス●ィック? 何をいってるんですか?これはてんこの群れの歌ですよ。例え似たような歌があっても偶然です。 そして一週間後。 お兄さんの家で、てんことお兄さんの待望の赤ちゃんが誕生しました。 「ゆっきゅりいじめちぇちぇっね。」 一匹はてんこそっくりの赤てんこ。そしてもう一匹は・・・ 「ゆっきゅりひゃっはーしちぇっちぇね。」 「ゆっ・・・このこ・・・」 「ヒャハッ・・・・」 「ひゃっはーはひゃっはーだよ。ゆっきゅりひゃっはーしちぇっちぇね。ひゃは。」 あとから産まれた赤ゆっくりにてんこもお兄さんも目を丸くしました。 顔こそ普通のゆっくりですが髪の毛がお兄さんと同じモヒカンになっています。 ヒャッハーと無駄に吠えたりする所もお兄さんそっくり。 どうやらてんこのゆ伝子とお兄さんの遺伝子が混ざってこのようなゆっくりが産まれたようです。 自分のことをひゃっはーだと名乗ったのでゆっくりひゃっはーと名付けました。 「ひやっはー!!すぃーでばくそうだぁああ!!」 お兄さんに買ってもらったすぃーに乗ってご機嫌なひゃっはー。家の芝生をを爆走中です。。 ちなみにすぃーはお兄さんの手でハーレー型にカスタマイズされていて。 2匹が産まれてもう1ヶ月がすぎました。最初は慣れない飼いゆっくり生活にとまどった所もあるてんこでしたがいまではすっかり慣 れてお兄さんの家族との仲も良好です。 「ひやっはー!!おねいちゃんをぎゃくたいだぁああ!!」 「ハァハァ。もっとやってね。もっとすぴーどをあげてね。」 すぃーには姉てんこが糸で括り付けられおり、とても楽しそうに引きずられています。 仲睦まじい兄弟の光景です。いつまでも見ていたいものですが 「虐男、そろそろ出ないと会社に遅刻するわよ。」 現実に引き戻す母の声。今日は日曜ではなく平日なのです。 「こんなに可愛いてんこをてごめにするとはお前も隅に置けないなぁ。」 「お兄ちゃんのエッチー。」 ニヤニヤと笑いながら冷やかす父と妹の虐子。これで冷やかされるのは何度目でしょうか。 ちなみに家族全員お兄さんと同じモヒカンです。 「ヒャハッ。やめてくれよ父さんたち・・・」 「はっはっはっ。照れることはないぞ。父さんも昔はよく野生のきめぇまるをれいぷっぷしたものだ。おかげでついたあだ名が幻想町 のれいぱーありすだ。男はそれぐらいしなくちゃな。」 やたら誇らしげに話すお父さん。どう考えても威張ることではないのですが。 「もう父さんたら・・・会社にいくよ。」 照れくさくなってその場から退散するお兄さん。それをてんこが見送ります。 「おにいさん、ゆっくりいってらっしゃい。」 「ああ。いってきます。」 愛車のハーレーにまたがるお兄さん。てんこの見送りを背に会社にゴーです。 「ヒャッハー!!ハーレーで通勤だー!!!」 違法改造ハーレーで爆音をとどろかせながら会社に向かうお兄さん。ちなみにモヒカンが崩れないようノーヘルです。 どうみても道路交通法違反ですが関係ありません。ここ幻想町では常識や法律にとらわれてはいけないのです。 そう緑の腋巫女も言ってました。 「ヒャッハー!!到着だー!!!」 制限速度を100キロ程オーバーして5分ほどハーレーを走らせているとお兄さんの勤め先ボーダー商事に着きました。 モヒカンなのにサラリーマンなの?と思う人も多いかと思いますがボーダー商事は服装、髪型は完全に自由。 モヒカンだろうが罪と書かれた覆面をつけて仕事しようがフリーダム。副社長がクールビズと称して全裸で社内を歩き回っても誰も文 句を言いません。社の外にでても、ああ、またボーダー商事かと思われるだけです。 そもそも紫社長自身がいい年して少女趣味なフリフリのドレスを着て出社しているので文句を言える立場ではありません。 「ぶひぃー・・・」 「ヒャハ?ゴミ捨て場のほうから何か聞こえたような・・・気のせいか?」 何かゴミ捨て場から声がしたような気がしたのですが・・・ 「まあいいか。ヒャッハー、今日もお仕事だー!!!」 雄たけびをあげて気合をいれるお兄さん。今日も元気にお仕事です。 一方そのころゴミ捨て場では・・・ 「ぶひぃー・・・まりさはぶたです・・・いやしい、いやしいめすぶたです・・・」 其れはゴミ袋のなかでつぶやき続けます。まるで壊れたラジオのように。 「ぶひぃー・・・まりさはぶたです・・・ゆかりさまのめすぶたです・・・ゆかりさまはババァなどではありません・・・えいえんの じゅうななさいです・・・ゆかりさまは、かれいしゅうなどではありません・・・しょうじょしゅうです・・・あしもなっとうくさく などありません・・・じゃすみんのかおりです・・・ぶひぃー・・まりさはぶたです・・・いやしい、いやしいめすぶたです・・・」 この数ヶ月間、紫社長に教育と称してありとあらゆる苦痛を与えられた其れはもう完全に自我を失っていました。 焦点のあわない目をした其れは、いつまでもいつまでもそうつぶやき続けていました。 あとがき いつもご愛読ありがとうございます。長月です。 今回はてんこを主人公にした愛で系ギャグにしてみたのですがいかがだったでしょうか?コメントでご意見、ご感想いただければ幸いです。 追伸 絵本あき様ごめんなさい。 挿絵 by嘆きあき 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 ふたば系ゆっくりいじめ 298 ゆっくりを拾ってきた ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編) ふたば系ゆっくりいじめ 357 ゆっくり Change the World(出題編2) ふたば系ゆっくりいじめ 391 ゆっくり Change the World(解答編) ふたば系ゆっくりいじめ 400 あるゆっくりできない2匹の一生 ふたば系ゆっくりいじめ 441 てんこがゆっくりするSSさん ふたば系ゆっくりいじめ 457 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ ふたば系ゆっくりいじめ 476 ゆっくりを愛でてみた ふたば系ゆっくりいじめ 511 れいむと幸せを呼ぶ金バッジ ふたば系ゆっくりいじめ 528 としあき博士のれいぱーありす矯正計画 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る も、もしかしてく●み●テク(^ω^#)ひえっピチューン -- 2018-01-08 18 40 43 鉄砲をゼロ距離発射でやればいいのに -- 2016-09-03 02 20 38 事務所でおうち宣言wwwwwていうかどうやって入ったwwwww -- 2016-02-20 22 24 09 ヒャハないかww -- 2015-08-20 12 55 12 ある意味最強のゆっくり -- 2015-07-05 10 28 46 てんこちゃんは俺がいじめてやるww(放置プレイで) -- 2014-05-21 21 59 31 人類にははやすぎる -- 2014-03-27 23 29 07 すげぇ胴付きてんこ飼いたいww -- 2013-09-21 23 53 49 ゆwwwかwwwりwww -- 2013-09-21 23 51 59 イオシスwww -- 2013-03-22 20 58 22 長老の武勇伝が普通にすげえwwww -- 2013-01-31 17 31 33 ふむ・・・おもしろい・・・とか半笑いで読み続けてたけど虐男の妹もモヒカンでクッソ吹いたwww -- 2012-12-24 23 16 52 カwwオwwwスww -- 2012-11-19 19 32 15 すげー笑ったwww下手すると非ゆっくり症すら最高の死に方とかいいだしそうだよというかドススパークすらその程度ですむのかよwwwもはや人間より丈夫だよ 因みにおれの性癖はドSでM何だがね -- 2012-08-06 03 27 00 この町にはドSとドMしかいないのかよwww -- 2012-07-20 00 45 20 寝る前にとんでもない良作を読んでお茶吹いたwwww どうしてくれるwwwwww -- 2011-10-12 01 34 23 虐待で死んでも本望ってwてんこ最強すぎるw こいつ!!死の恐怖がないのか!? -- 2011-08-27 21 28 45 おもしれぇwww最高に吹いたぜw モヒカン兄さんも責任取るとか男気有って好きだww -- 2010-10-21 09 19 59 楽しかった てんここそ最強のゆっくりだ -- 2010-09-10 16 05 44 面白かったよ!!てんこはブロント語も良し、かまってちゃんも良し、ドMも良し!! でも挿絵のてんこはキモイ。でも…好き。 -- 2010-07-31 00 21 49
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「ふたば系ゆっくりいじめ 634 冬ってだけでフラグが立った/コメントログ」 奇跡ですか(笑) 奇跡が起こっても不幸になるのが饅頭らしいわww -- 2010-10-21 18 49 03 弾けて、混ざれ! -- 2019-04-03 08 05 59
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暇人二人の旅行 11KB 「ユ゙ッユ゙ッユ゙ッ!」 「…………」 「ユ゙ッユヅッ!?」 「…………」 「ユ゙ッ!?ユ゙ア゙ア゙アゲ!?」 俺の目の前には、うめき声をあげる奇怪な針の山があった。 この針の山の正体はゆっくりありす。目以外の場所には裁縫針が隙間無く埋まっていて一種の剣山になっている。 針刺し――使い古された虐待法だが、一刺し毎に苦痛の叫びを挙げるゆっくりを見るのは飽きる物ではない。 寝食を忘れてのめり込める遊戯……ゆっくり虐待はどんな物でも時間を忘れられるが。 次に刺す場所は何処が良いかな?と考えながら手の中の針を弄くっていると。 「ふあー……おはよー」 気だるげな友人の声が聞こえた。 「おー、おはようさん」 そして気づいて見ればもう朝の八時。 どうやら10時間以上も休み無く、針を刺したり抜いたりしていたようだ。 ここで小休止とするのも良いかもしれない。 ソファから起き上が――ろうとして転げ落ちた友人を尻目に、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出した。 トクトクトクトクと音立てながらありすに注いで数秒。 棺桶に全身を突っ込んだようなありすの目が、死んだ魚のような目に回復した。 さすがオレンジジュース。ゆっくりの応急処置としてはピカイチの飲料だ。 「よお、ありす。元気になったか?」 「……はやぐありずをごろじでぐだざい」 うん、元気になったようだ。これなら反応も楽しめるだろう。 針刺しの続きを始めよう。 「そういやまだ口の中が残ってたな。よし、ありす。口の中をチクチクしてやるぞ」 「ごろじでよぉぉぉぉ゛゛゛゛」 「飽きたら殺してやる、って何回も言ってるだろ?」 絶望の表情で口をわななかせるありす。 ぷるぷる震えるのどちんこにまずは一刺し、とやろうとした所で。 「何やってんのさ?出掛ける時間だよ?」 顔を洗ってきたのか、タオルで顔を拭っていた友人が声を掛けてきた。 出掛ける?今日にそんな予定あったっけ? そう考える俺に、呆れた表情でため息をつく友人。 「ああもう…昨日言った事忘れたの?」 「ああ!悪い悪い忘れてたごめん!すまんありす!もっと楽しみたいけどここでお別れだ!」 自画自賛してしまう程に見事なフォームで、ゆっくりコンポストにありすを放り投げる。 「ユワァイ!ゴハンサンガヤッテキタヨ!」「ハリサンハマズイケドガマンシテタベヨウネ!」 などと聞こえてくる、時間が迫っているので手早く準備しないと…… 「まだぁ?」 「待って!後2分!」 …………………… がたんごとん、と電車で揺られながら目的地に到着した俺達。 寂れてはいないが活気づいてもいない、全国何処にでもあるような地方都市の一つ。 駅を出て道をつらつら歩きながら一つの事に気付いた。 「ふむん、野良ゆっくりが居ないな」 野良ゆっくりが居そうな路地の隙間を見ても何も居ない。 野良ゆっくりの根絶を政策にでも進めてる街なのか? 「何かおかしいの?すっきりして良いじゃない?」 「……ま、それは置いといて。何処に行くんだ?俺何も聞いてないんだけど」 「第一被害者の所だよ」 「いやそういう事じゃなくてな……何の理由でこの街に来たんだ?と聞きたいんだが……」 「それは後で話すよ」 ポケットから取り出した手帳をパラパラ広げる友人 その様だけを見ると、とても探偵らしく見える。 俺と同じ毎日が日曜日な奴とは思えない。 「何か言った?」 「別に何もォ?」 …………………… 「……気付…時に………既に……」 「…誰か…恨……無いと……」 閑静な住宅。 ガラス一枚に遮られて微かに聞こえてくるだけのBGMを背に、ゆっくり小屋がある庭を調べていた。 俺もソファに座っていたかったが、庭を調べていろと所長命令があってはしょうがない。 しかし、素人の調べ方では何も分からない。 辛うじて分かるのは、小屋の中で何か大量の餡子が飛び散ったぐらい。とにかく暇だ。 「どうもありがとうございました。」 空の雲を数えていると、友人がこの家のドアから出て来た。 声を掛けようとしたら渋い顔が目に入る。 「どうした?」 「いや、何でもないよ……ちょっと公園で話そう」 どうせ、家の中で飼っていたゆっくりの話に不満が溜まったのだろう。 過剰な可愛がりはしてない家主だとは思うが……相変わらずゆっくり嫌いが徹底している奴だ。 そんなに幸せなゆっくりが憎いのか。 ある意味可愛いと言えるし、絶望に突き落としてやった時の反応は格別な面白さだと思うが……いかん私情が入った。 …………………… 公園にも野良ゆっくりは居なかった。 どんなに少なくても確実に1,2匹は居るはずだが…… 「この街に来た理由を知りたいんだよね?一昨日のニュース憶えてる?」 「何だっけ?」 テレビは見ない方なので良く分からん。と答えようとしたら、友人が溜息を一つして新聞を放り投げてきた。 どうやら来る途中で買った物のようだ。 「マジックで線を塗った所見てみて」 「どれどれ」 飼いゆっくりが野良ゆっくりに食い殺される事件が多発、食い殺してるゆっくりは見付かっていない。 小学生が野良ゆっくりに噛まれて数針縫う怪我、噛み付いた野良ゆっくりは逃亡。 野良ゆっくりの行進。大勢で押し寄せられ、道を歩いていたお年寄りが転倒して怪我。 掻い摘んで言えば以上の事が新聞に書いてあった。 「この事件で誰かが依頼を?……っても、事務所は年中休業だったはずだよな?」 「僕の個人的な好奇心からだよ」 唐突な行動をする奴だ。 事務所に一人残って針刺し続けてりゃ良かったなぁ。 「あっ、そう……で、あの家の人の話を聞いて何か分かったか?」 「特に何も」 「おいコラ」 「まだまだ聞き回るんだから、そう簡単には答えは出せないよ」 警察か保健所にでも任せようと言う意見は所長命令で封殺され。 俺と友人は街の中を駆けずり回ったのだった。 …………………… ここはホテルの一室。 足が痛い。寝ていたベッドから起き上がりながらそう思った。 ゆっくりを追い掛け回す時なら苦にもならない事だが。 無駄足としか思えない聞き込みを続けていると精神的にも肉体的にも非常に疲れた。 「なるほど」 一足先に起きた友人は、手帳をペラペラ捲っては一人でうんうん頷いている。 「何か分かったんか?」 「うん、件の野良ゆっくりは並みのゆっくりじゃないって事だね」 はぁ? 「それぐらい新聞見れば分かるだろ?これだけ色々やってて未だに捕まってないんだから、普通のゆっくりじゃないって事ぐらいアホでも分かるわ」 「そうだね、件の怪我させられた少年の話も聞いたけど、身体能力がゆっくりにしては異常なんだ…………知能はかなりお粗末だけどね」 「そりゃあなぁ。これだけ無法を働いたら、本気で駆除される事になるぐらいは少し考えりゃ分かるからな」 五月蝿いだけのゴミ虫だと思ってた蚊。 その耳元を飛び回る蚊がマラリアを媒介してると知ったら? 他の蚊もマラリアを媒介しているかもしれないと思ったら? 件の野良ゆっくりもそれと同じ。 ……道理で街を歩いていても、野良ゆっくりが見付からない訳だ。 「まさか本当に全部駆除されていたとはな」 「件の野良ゆっくり一匹だけの行動ならまだしも、それを模倣したその他大勢の野良ゆっくりがやってしまったらね……綺麗な街になったから結果オーライかな」 動く饅頭だと思ってたら、実は鋭い牙を隠してましたー、子供や飼いゆっくりやお年寄りが襲われましたー、と。そりゃ人間も本気出す。 「それで発端の野良ゆっくりはどうなったんだ?とっくの昔に駆除されてんじゃねーのか?ゆっくりの見分けなんて普通つかんし」 「いや、それは無いよ。少年の話だとかなり特徴的な形しているようだから、一目見ればすぐに別ゆっくりだって気付くってさ」 「つまり、今現在この街のどっかに隠れてると?」 「そうだね。駆除が激化し始めてから、件の野良ゆっくりの被害が消えたように無くなったんだ」 それでもうこの事件は終わったようなもんだ。 後はその隠れてる野良ゆっくりが寿命で死ねば、全てが終わるだろう。 「じゃあ、とっとと事務所に帰ろうぜ。この街に野良ゆっくり居ないし俺もう疲れたよ」 「へ?何言ってんの?発端の野良ゆっくり捕まえてないじゃん?」 「えー、隠れてるんだから見付かるわけないじゃんか」 「所長命令です。市や被害者の家族から賞金も出てるんだし、働いてる気分も味わえて良い事尽くめじゃないか」 「最後のそれを、お前に言われるとそこはかとなくムカつくな……」 …………………… 金と暇だけは大量にある男二人の探し物。 結論から言うと、件の野良ゆっくりは見付かった。 「あれがそうかね?」 「そうみたいだね」 最後に被害にあった家の周辺を二人で捜し回ったその矢先。 誰も使ってないと思われる廃屋の排水溝に、そのゆっくりは居た。 元は何のゆっくりなのか? その頭に元々生えていた毛は全部刈り取られ、代わりに人形の毛だろうか?それが疎らに植付けられている。 目がいっぱいある――何かの比喩では無い。本当にいっぱいあるのだ。前面に数えられるだけで8個以上。しかもその幾つかが焼印で潰されている。 帽子は……まりさ?ぱちゅりー?みょん?ちぇん?全部混ぜた後に子供が適当に造形したかのような形状。 赤青緑と多種多様な色のペンキをぶちまけたかのような肌の色。 塵も残さないような徹底的な破壊と雀の涙程度の再生。 これを作った人間は相当な好き者である事が分かった。 「ひゃー、これは凄いな」 俯いた顔を挙げてこちらを見る魔改造ゆっくり。 どうやら声に気付かれたらしい。まあ隠す気は一切無かったが。 「どうやらこっちに気付いたようだよ」 「アレに逃げる気は無いと思うがね。逃げたとしても――」 何処の世界にアレの居場所があると言うのだ? 「やぁ!お前が街で話題のゆっくりか?」 「………………」 話し掛けても何も言わない。 何を思っている?何を考えている?全く分からない。 「もしもーし?聞こえてますかぁ?」 「……何しにきたの?」 やっと答えたと思ったら、その声も酷い物だった。 ガラガラにしわがれたその声、肺を冒された老人でもこれと比べれば元気がある声を出せると言える。 喉が薬で焼かれたんだろうか?と考えていると友人がその魔改造ゆっくりに声を掛けた。 「餡子脳が腐ってるの君?じゃあ逆に聞くけど、何でゴミみたいにこんな所に隠れてるのさ?」 「私達を捕まえにきたんだね?」 「それぐらい分かれよド低能。って私達って何?君一匹しか居ないのに数も数えられないの?本当に餡子脳腐ってるんだね?」 「………………」 「こいつは放っとくとして、お前は何てゆっくりだ?」 「……分からないよ」 「いや分からないって事は無いでしょ?何?自分探し?ポエマー気取りな「お前が喋ると話しが途切れるから邪魔すんな!」 不満そうな友人を脇に押し退ける。 でも、分からないとは何ぞや?どういう事だ? 「何で分からないんだ?」 「……私達をお兄さんがまぜたから」 「あー、なるほど。そう言う事か……」 れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありす、ちぇん、など等。 中身を掻き出し混ぜ合わせ圧縮して皮に詰め込む。 ゆん格が混じり合って、殆どが発狂し果てるが、ごく稀に新たなゆっくりとして完成する時がある。 昔――今もだが何回もやっているから俺にはよく分かる。 それにしても作った芸術品を道端に捨てるのはよくない事だと思う。責任もって秘密裏に処分すべきだな。 「で、お前は何で飼いゆっくりを殺したんだ?」 「…………私達より幸せそうだったから」 「ああ、逆恨みか。小学生のガキに怪我させたのは?」 「……公園に住んでたれいむを虐めてたから」 「守ってやったのね。ゆっくり大行進は?」 「それを見てた公園のれいむ達が……」 「人間にも勝てると、勘違いしたお気楽な餡子脳が暴走したんか。何でここに居るんだ?」 「……虚しい……もう疲れたよ」 聞きたい事は全て聞いてスッキリした。 後にやる事は――― 「散々やらかしたツケは払うべきだが……こいつを鞄に詰め込むぞ」 「えぇ!?何で!?」 …………………… 鞄に詰め込む時にに一瞬だけ体が硬直したが その魔改造ゆっくりは最後まで大人しかった。そう――「最後」まで。 …………………… 「ユ゙ッユ゙ッユ゙ッユ゙ッ」 「コンポストの中で生きていて嬉しいぞありす、お礼に俺が飽きるまで針刺しをやってやるよ」 嘘も付いていないのにハリセンボンを飲まされたありす。 次は、体中の針を抜き取った後に塩水と小麦粉を塗りこんでもう一回針刺しだ。 と意気込んでいると。 「何で引き渡さなかったのさ?」 テレビを見ていた友人が声を掛けてきた。 あの事の話か、こいつも聞きたがりだね。 「俺が困るからだ」 「答えになってないよ。ねぇ何で引き渡さなかったのさ?君はゆっくりに甘い人じゃないでしょ?」 「馬鹿言え、俺みたいにゆっくりにだだ甘な奴は、そんじょそこらに居ないぞ?」 「悪い冗談だね。ねぇ何であのゆっくりを殺してやったんだい?唐突に情が湧いた訳じゃあるまいし」 「あのゆっくりが普通の容姿なら市や被害者家族に引渡したさ」 「?どういう事?」 「あのゆっくりが世間様の目に触れたらどうなると思う?」 「…………出来るだけ苦しめてから、殺処分じゃないの?」 「お前に聞いた俺が間違っていたが………同情される可能性があるんだよ」 幼少期に心的外傷を残すような虐待を受けた犯罪者に同情するような人間が居る。 あのゆっくりはその姿と、悲惨な過去から世間の同情を買う確率が高いのだ。 何でこのゆっくりがあんな事をしなければならなかった?本当に悪いのは誰? そんな詮索がされる前に死人にクチナシ、表舞台に立つ前にこの世からご退場を願ったわけだ。 「……分からないな、ゆっくりに同情する奴って居るの?」 「分からない事では無いと思うがなぁ……さーて、ありす?放っといて悪かったな、続きをしようか?」 「ユ゙ッャ゙ァァ゙ッ」 今日も事務所では鬼意山二人とゆっくり一匹が仲良く過ごしましたとさ。 めでたしめでたし。 前作 『ふたば系ゆっくりいじめ 79 暇人二人のゆっくりいじめ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 64 酷い暇潰し』 【ふたば系ゆっくりいじめ 58 ドスまりさがぶっ殺される話】 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 同情するしないは勝手。 同情しても結局何もしなかったり、根本的解決をしなかったり、そういう奴こそ只の偽善者。 ハッキリ言って無関心よりタチが悪い。それを理解せずに、正義ぶってる奴が多すぎるのも問題やな~。 ※このシリーズ大好きです! -- 2018-01-24 14 08 35 ゆっくりに同情するモノ、味方するモノは例外無く死刑にすれば大丈夫だよ! -- 2015-07-30 00 36 39 このゆっくりを作った奴はきっと捜索されるだろう、被害も出てるし、その調査上に虐待鬼威惨の存在が 浮上するのは当たり前だから、さっさと処分した方が良いだろうな -- 2012-12-12 21 21 24 社会の中でゆっくりへの同情が強まれば虐待お兄さんである自分にも都合が良くない、というわけか…。 -- 2010-10-09 19 02 30 コンポストの中でよく生きてたなありすw 針だらけだったせいで助かったんだろうか -- 2010-09-06 02 46 10 ゆっくりに同情か・・・いるよねそういう無意識に自分より格下のモノに偽善的な感情を持つやつって。 -- 2010-08-01 14 07 06
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「ふたば系ゆっくりいじめ 780 そして扉は閉ざされた/コメントログ」 実際、れいむのお歌はどんなものなのだろうか?聞きたい。 -- 2010-07-19 05 49 40 数人で集まって、大声で不協和音を奏でながらゆーゆー言ってみればいいと思う 聞くに堪えないぞ、多分 -- 2010-08-02 11 59 48 ギャワーwww 焼却炉をお家にするとは感心した生ゴミですね。駆除する手間が一つ省けたw -- 2010-11-03 21 12 59 上手いw -- 2010-12-06 16 29 16 ゆっくり焼かれていってね♪ -- 2011-07-23 15 41 54 おもしろかったwこれぞ小話って感じで上手いですねw -- 2011-08-19 12 43 25 ゆっくりの断末魔は最高の歌だなぁ もっとゆっくりしたかったは論外 -- 2014-08-01 21 47 40
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1149 ゆっくりシャンティー/コメントログ」 この女自己主張強いなwww -- 2010-06-04 22 23 24 考えさせられるSSだった。例えば… オレが熊とかライオンに喰われるって状況なったら、生きたまま体の末端部から喰われるんじゃなくて、 一撃で首の骨を折って即死させるとかしてから喰って欲しいって思うもん。 他の動物やゆっくりも、喰われる・殺されるってなったら苦痛の少ない方法で、殺って欲しいって思うんじゃないかな? -- 2010-07-15 23 45 51 話が長い -- 2011-09-10 06 40 48 親子うぜえええ、将来有望な虐待師じゃなくただのゲスだな -- 2011-10-20 12 00 42 ゲスというより、現実社会によくいるタイプ。 -- 2011-10-27 23 28 50 読みがいはあったけど、文章はちょっと冗長気味に感じたかな。タイトルが「お姉さんの一人語り」的なものだったら、もっとしっくり読めたかも。 -- 2011-10-30 16 13 57 話の元ネタとなった店の近くにオレの勤務先があるわw あそこのパフェはまさにドカ盛りだよね。 -- 2011-12-24 01 11 37 昨日は店頭で山のようにケーキを積み上げて売ってたねw -- 2011-12-25 13 51 39 社会の事を良くわかってらっしゃる。 てか、あの親子を虐・・たいと思ったが、問題はない。ゆっくりと同じだからwww -- 2012-08-03 23 29 07 お話ししたいなぁ -- 2014-08-10 16 13 12
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TAKE IT EASY! 12KB 差別・格差 追放 群れ 野良ゆ 自然界 二番煎じかもしれない… 注:例のごとく、ゆっくりの言語能力、思考能力を超過しています。後半部分が顕著です。 気がつけばそうなっていて、もうどうしたらいいか判りません……。 ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 709 五体のおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 713 最後に聞く言葉 ふたば系ゆっくりいじめ 722 育て親への説教 nue052 にんげんをたおして ふたば系ゆっくりいじめ 787 ふたりなら 作者:ハンダゴテあき マリサはアメリカで生まれたゆっくりだった。 言葉をすべて英語で話し、 「ゆっくりしていってね!」 という、ゆっくりにとって御馴染の台詞を 「TAKE IT EASY!」 と、何の疑いもなく使っていた。 ある日、マリサは捨てられた。 仕事の都合で、アメリカから日本に滞在していた飼い主に、ある日突然捨てられた。 マリサは何故自分が捨てられたのか理解できなかった。 捨てられる直前、何故飼い主がひどく冷めた顔をしているのか判らなかった。 自分以外に何も入っていない段ボールのみで、これからどうやって生きていけばいいのか、 マリサには判らなかった。 マリサは段ボールから出て、近くにあった森へ入った。 周囲に目を配らし、食べ物を探した。 野良の経験がないマリサは、どれが美味しくて、どれが不味いのか判らなかった。 とにかく食べられそうなものをちぎり取り、帽子に詰めていった。 毒にあたってしまわないか不安になりながら、狩りを続けていると、一匹のゆっくりが眼に入った。 自分と同じように狩りをしているように見える成まりさだった。 「TAKE IT EASY!」 マリサは思わず声をかけていた。 先ほどまで抱いていた孤独が一気に吹き飛ぶのをマリサは感じていた。 花の蜜を吸っていた蝶を捕まえていた成まりさは声がした方を振り向いた。 マリサは堪らなく嬉しくなり、ぴょんぴょんと跳ねて近づいていった。 けれど距離は縮まらなかった。 「ゆっ! へんなことばをしゃべるゆっくりだぜ! ゆっくりできないゆっくりなんだぜ!」 成まりさは怯えた表情しながら、マリサから逃げて行った。 マリサは何故自分から遠ざかっていくのか判らなかった。 成まりさが何と言ったのか、何故怯えているのか判らなかった。 遠ざかっていく成まりさを見つめながら、マリサはポツリと立ち尽くしていた。 その日、森の中で会うゆっくりにマリサは「TAKE IT EASY!」と声をかけて回った。 けれど誰も好意的に受け止めてくれるゆっくりはいなかった。 あるゆっくりは、初めに出会った成まりさと同じように逃げ出し、 あるゆっくりは、ゆっくりできないものとして暴力を振るい、 あるゆっくりは、マリサがいないものとして通り過ぎて行った。 痛みつけられた箇所を庇うように歩きながら、マリサは再び「なぜ」と思った。 自分はただ「TAKE IT EASY!」と声をかけているだけだった。 どうして誰も「TAKE IT EASY!」と返してくれないのだろうか。 そう返してくれなくても、どうして優しく接してくれないのか。 夜、マリサは段ボールの中で独り、口に合わない食料を噛み締めしめていた。 マリサはもう「TAKE IT EASY!」という言葉を使う気が失せていた。 アメリカ出身であることが敬遠される原因であることを、マリサは薄々ながら感じていた。 幸せになれない食事を終え、マリサはある決意を胸に眠りについた。 翌朝、マリサは段ボールを引き摺りながら、今いる森から離れていった。 「ゆゆー♪ おかあしゃんといっしょのおしゃんぽはたのしいんだじぇ♪」 とある森で赤まりさと親れいむが散歩をしていた。 二日ほど雨が続き、久しぶりとなる散歩を赤まりさは心ゆくままに満喫していた。 「おかあしゃん! まりしゃ、こっちのみちしゃんにすすみたいんだじぇ!」 「ゆふふ、おちびちゃんはこうきしんおうせいだね」 いつもと違う道をゆっくりの親子は進んでいった。 赤まりさはどんどん前へ進んでいき、親れいむは見失わない程度に追いかけていった。 「ゆっ! だれかいりゅよ。ゆっきゅりしちぇいってにぇ!」 背を向けたゆっくりまりさを見つけた赤まりさは、舌足らずに声をかけた。 けれど背を向けるゆっくりまりさは振り返らず、声を返そうともしなかった。 「ゆっ! にゃにむししちぇるの? まりしゃがゆっきゅりしちぇいってにぇっていっちぇるんだよ?」 無視されたことに苛立ち、赤まりさは体当たりをしてやろうと 背を向けたままのゆっくりまりさに近づいていった。 親れいむは赤まりさが体当たりをしようとしているゆっくりまりさが、 あのゆっくりであることに気付き、赤まりさを全速力で止めに入った。 「ゆっ! だめだよおちびちゃん!」 赤まりさの目の前に親れいむが立ち塞がる。 親れいむの理解出来ない横やりに赤まりさは苛立ちを覚えた。 「にゃんで! まりしゃのあいしゃつ、むししちゃんだよ!」 「むしはいけないことだよ、おちびちゃん。でもね……」 「やっぴゃり! まりしゃがただしいだじぇ!」 赤まりさは親れいむの横を抜け、未だ背を向けたままのゆっくりまりさに体当たりをした。 「まりしゃもむししちゃばつだじぇ! ないてあやみゃってもおそいんだじぇ!」 ゆっくりまりさの背中に、赤まりさは親れいむが捕まえるまで何度も体当たりをした。 それが赤まりさにとって功を奏したのか、小さく汚れただけの背中が、 こちらへ向かって動こうとしているのをゆっくりの親子は見ていた。 「ゆっ! さっきもいっちゃよ! ないてあやみゃってもおそい……んだ……じぇ……」 赤まりさは言葉を失う。 目の前に立つゆっくりの眼が、ひどく疲れ果てたように見えた。 「おかあしゃん! きょわいんだじぇ!」 赤まりさはゆっくりまりさの顔に怯え、親れいむの後ろへ隠れた。 ゆっくりまりさはそれを眺めながら、怒ろうともせず、一度だけ会釈をし、去っていった。 「おかあしゃん、しゃっきのなんにゃの?」 ゆっくりまりさが見えなくなった後で、赤まりさは親れいむに尋ねた。 親れいむは複雑そうな表情を浮かべながら、こう答えた。 「あのまりさはね、なにもきこえなくて、なにもしゃべれない、 かわいそうなゆっくりなんだよ」 喋らなければ異国からきたことがばれないとマリサは考えた。 何も聞こえないふりをすれば、言葉を理解していないことを誤魔化せるとマリサは信じた。 二つを満たせば、少しだけ変な顔をした、 この国出身のゆっくりだと思われるのではないかとマリサは思った。 移動した森の先でマリサは一つの群れと出会った。 マリサは考えていたことを実行した。 決して喋らず、聞こえないふりをし続けた。 群れの長はマリサが喋れないこと、何も聞こえないことを理解し、群れ全体に、 マリサを“放っておくこと”を指示した。 マリサはその指示を聞こえてはいたものの、どういう意味をもつのか理解していなかった。 マリサは独りで生き続けていた。 森の端で群れに迷惑をかけないよう、ひっそりと暮らした。 初めは分からなかった食糧の選別もある程度出来るようになっていた。 何が危険なのかも身をもって味わい、理解した。 新しい巣となった洞穴の中で、マリサは木の実を食べながら、 「TAKE IT EASY!」と駆け回っていた自分を思い出した。 二度とあの辛みは味わいたくなかった。 声をかけただけで、嫌な顔をされ、体当たりされ、無視されるのが嫌だった。 今いる森の群れは、どういうわけかマリサを放っておいてくれている。 時折嫌な顔をされることはあるが、体当たりされることはなくなった。 声を出さない、聞こえないふりをしたことが功を奏したのだとマリサは思った。 自分の選択は間違っていない。 マリサはそう思いたかった。 「慢慢地做! (ゆっくりしていってね!)」 ある日、マリサは狩りをしていると、聞き慣れない声が聞こえてきた。 自然を装いながら声がした方を向くと、 一匹の見知らぬまりさが群れのれいむに声をかけているところだった。 マリサが草陰に隠れながら、その様子を窺った。 「慢慢地做!」 再度、見知らぬまりさが声をあげる。 マリサは何と言っているのか聞き取れなかったが、 語感から「ゆっくりしていってね!」と言っているのではないかと察した。 「ゆっ! なにいっているのかわからないよ! なんかこわいよ!」 群れのれいむは、ばつが悪そうな表情をし、その場を逃げ出して行った。 それを見届ける、見知らぬまりさの困惑した表情を見て、マリサは以前の自分を思い出した。 あのまりさも自分と同じ道を歩むのだろうか。 通りがかった群れのゆっくりに、再び声をかけるまりさを見ながら、マリサは考えていた。 それから二日が経った。 いつも通り、独りで目覚め、独りで朝食を摂り、独りで狩りに出かけて行った。 淡々と帽子に食糧を詰め込んでいると、一匹のまりさが眼に入った。 以前の聞き慣れない言葉を使うまりさだった。 「慢慢地做!」 まりさは二日前と変わらず、視界に入ったゆっくりに声をかけていた。 しかし誰もが嫌なそうな顔をし、去っていった。 その光景を見て、マリサはひどく心が痛んだ。 マリサは静かにこの場を去り、狩りを続けた。 いつもより多く食料を集め、巣に戻り、 いつもの食事の四分の一にも満たない量だけを口に入れた。 二週間の時が流れた。 マリサは二週間の間、巣に閉じ籠っていた。 あのまりさが見たくない一心の行動だった。 けれど細々と食い繋いでいた食料は尽き果ててしまい、 マリサはなるべく近くで食料を集めようと巣を出た。 しかし運悪く、巣の近くにあのまりさの姿があった。 「慢慢地做!」 あのまりさは通りがかった群れのれいむに相も変わらずその言葉を使っていた。 やめろ、とマリサは思った。 嫌な顔をされるだけだ、と言ってやりたかった。 何も言わなければ悲しい思いをしなくて済む。 どうしてそのことが理解できないのだと、マリサは心の中で嘆いた。 「慢慢地做!」 再度、聞き慣れない声が響き渡る。 もう見ていたくない。 マリサは狩りを諦め、巣に戻ろうとした。 「ゆっくりしていってね!」 えっ、と思い、マリサは振り返った。 そこには群れのれいむと、あのまりさが、笑い合っている光景があった。 まりさは、中国で生まれたゆっくりだった。 言葉をすべて中国語で話し、 「ゆっくりしていってね!」 という、ゆっくりにとって御馴染の台詞を 「慢慢地做!」 と、何の疑いもなく使っていた。 ある日、まりさは捨てられた。 仕事の都合で、中国から日本に滞在していた飼い主に捨てられた。 まりさは何故自分が捨てられたのか理解していた。 飼い主が泣きながら、お金がないことをまりさに伝えていた。 まりさは静かにそれを受け入れた。 少しだけ餌の入った段ボールの中、まりさはこれからどうやって生きていこうか考えていた。 まりさは段ボールから出て、近くにあった森へ入った。 周囲に目を配らし、食べ物を探した。 野良の経験がないまりさは、どれが美味しくて、どれが不味いのか判らなかった。 とにかく食べられそうなものをちぎり取り、帽子に詰めていった。 美味しいものが混じっていることを祈りながら、狩りを続けていると、一匹のゆっくりが眼に入った。 自分と同じように狩りをしているように見える成れいむだった。 「慢慢地做!」 まりさは思わず声をかけていた。 帽子に入った食料のことを尋ねようと思った。 もし食べられるものが入っていたら、一緒に食べてゆっくりしようと考えていた。 地面を這う芋虫を捕まえていた成れいむは声がした方を振り向いた。 まりさはもう一度、「慢慢地做!」と叫んだ。 「ゆっ! なにいっているのかわからないよ! なんかこわいよ!」 けれど成れいむは怯えた表情し、まりさから逃げて行った。 まりさは何故自分から遠ざかっていくのか判らなかった。 成れいむが何と言ったのか、何故怯えているのか判らなかった。 遠ざかっていく成れいむを見つめながら、まりさはポツリと立ち尽くしていた。 その日、森の中で会うゆっくりにまりさは、 「慢慢地做!」と声をかけて回った。 けれど誰も好意的に受け止めてくれるゆっくりはいなかった。 あるゆっくりは、初めに出会った成れいむと同じように逃げ出し、 あるゆっくりは、ゆっくりできないものとして暴力を振るい、 あるゆっくりは、まりさがいないものとして通り過ぎて行った。 痛みつけられた箇所を庇うように歩きながら、まりさは再び「なぜ」と思った。 自分はただ「慢慢地做!」と声をかけているだけだった。 どうして誰も「慢慢地做!」と返してくれないのだろうか。 そう返してくれなくても、どうして優しく接してくれないのか。 夜、まりさは段ボールの中で独り、口に合わない食料を噛み締めしめていた。 まりさは明日も「慢慢地做!」と 言ってまわろうと考えていた。 自分は間違ったことはしていない。 いつか誰かは優しく接してくれる。 まりさはそう信じた。 十日ほどひたすら挨拶に回っていたまりさを群れは徐々に受け入れ始めていた。 「慢慢地做!」という言葉に、 あるゆっくりが「ゆっくりしていってね!」と返したことが皮切りとなって、 群れのゆっくりは皆、まりさに挨拶をされればそう返すようになった。 自ら声をかけるゆっくりも現れるようになった。 まりさは群れに打ち解けていった。 ある日、まりさが毒キノコを咥えようとしていたとき、それを止めてくれるゆっくりがいた。 そのゆっくりはまりさの帽子に入っていた食料の、 どれが美味しくて、どれが不味いかを身振りで教えた。 まりさは真剣にそれを聞き、お礼として、美味しく食べられるものを多く渡した。 次の日もまりさが狩りをしていると昨日のゆっくりが現れ、 今度は森の中を回りながら、どれが美味しくて、それが不味いかを身振りで教えてくれた。 まりさは再びお礼を渡そうとしたが、そのゆっくりは受け取らず、 一緒に食べようというモーションをとった。 それから先、まりさはそのゆっくりといつも一緒だった。 狩りを共にし、食事を共にし、遊び合った。 まりさは言葉が通じなくても幸せを感じていた。 外が怖くて仕方なかった。 あのまりさを見るのが怖かった。 群れのゆっくりと笑い合うまりさを見てから一週間、マリサは巣に閉じ籠っていた。 絶食の日々だった。 襲いかかる空腹に耐えきれず、マリサはあんよを引き摺りながら巣を出た。 近くに生えた雑草を懸命に集めた。 しかし、量が少なく、マリサは少しだけ遠くに出ることにした。 けれどそれがいけなかった。 視界にあのまりさが入っていた。 群れのまりさと楽しそうに遊んでいた。 咥えていた雑草をマリサはポトリと落とし、マリサは全速力で巣に戻った。 巣の中で蹲りながら、マリサは「なぜ…」と思った。 疑問に思ったわけではない、自分はなぜこの道を選んでしまったのだと思っていた。 あのまりさはずっと声をかけ続けたのだろう。 自分が一日で諦めてしまったことを何日も繰り返したのだろう。 早く苦しみから逃れようとせず、立ち向かったのだろう。 なぜ自分はそうしなかったのだろう。 目先にとらわれてしまったのだろう。 あのゆっくりのようになりたい。 あのゆっくりのように仲間と笑いあいたい。 マリサは両目から大粒の涙を零した。 けれどそれはもう叶わない。 自分は嘘をついてしまった。 何も喋れなく、何も聞こえないという嘘をついた。 本当のことを話しても誰も受け入れてくれないだろう。 巣を仄かに照らしていた光が消える。 マリサは瞳を閉じ、時間が経つのを待った。 朽ち果てていくのをひたすら待ち続けていた。 中国語の翻訳はgoo翻訳を使っています。 実際は違うかもしれません。 ・あとがき 毎回SSを書いていて自分でも中途半端な印象を受ける。 過程を上手く書ける人は本当に凄いと思います。 最後まで読んでくださった方ありがとうございました。 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓×1の言ってることは正しいと思うよ? 喋れないめーりん種をゲスとして排除する通常種が、 言葉の通じない相手に、ここまで優しい訳がない。 -- 2018-01-22 21 56 48 この群れが友好的だったから中国まりさはたまたまうまくいっただけっていうのは浅い考えかな 異質な物を排除するような閉鎖的な群れだったら米マリサのようにやり過ごした方が賢明だっただろうし これだけ見たら諦めずにがんばった中国まりさの気持ちが通じたって美談みたいだけど、自身の異質さを アピールしてまわって群れの秩序を乱す奴って感じで何らかの形で処分をされてたかもしれないし -- 2013-05-26 00 32 07 これは・・・閉鎖的社会に投げ込まれた異質の葛藤を描いた超社会風刺的な意欲作だ!! なんて。 米マリサは目先のゆっくりに囚われ、中まりさはロングスパンでの自己ゆっくりを実現したのか。ある種、人間でもありえるだけに考えさせられるね。 -- 2011-10-07 03 43 12 いいと思います もう少し続きがあればなぁ… そのまま長くするなら中国まりさが米国まりさに話しかけるとか -- 2011-06-10 21 01 20
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「ふたば系ゆっくりいじめ 214 ルームランナー/コメントログ」 まりさが最後まで摩り下ろされるところが見たかったな。 -- 2010-08-02 22 10 44 もう少しこのゆっくりの心象と、背景の描写を加えるとよりゆっくりできると思う -- 2010-09-23 06 52 39 ↓人でなしに明日を生きる資格はない -- 2011-08-23 14 22 52 ↓虐待アンチが何でここにいるの?バカなの?ツンデレなの? -- 2011-12-28 02 51 19 何か怖い、特に絵がな。 頭にロープ埋め込む(?)時点でなんか冷や汗出そうだった。 -- 2011-12-30 01 50 22 いつものうざ魔理沙とは違うな -- 2012-07-08 11 01 20 住み分けしてんのにアンチが沸くのか、すごい迷惑な話だ ルームランナー虐待はまだまだ広がりそうだ、イイぞもっとやれー -- 2012-12-19 10 57 28 上下の絵の差ww -- 2013-01-05 23 43 57 胴付きと考えたら・・・ -- 2014-04-25 14 54 59 人間で言うとルームランナーで永遠に走らされ続け、少しでも休むと頭がルームランナーに削られるのか……… 人間でやってみるとゆっくりできるね! -- 2015-02-01 23 08 43 言うこと聞かない体が悪いな。エネルギー切れだろうが何だろうが、動けという命令をしている以上は体は動かないと。 -- 2016-12-16 11 39 59 どうせなら「愛する(笑)れいむ」も連れて来いwww 「明らかに違う生き物の住処(=人間の家)」って分かるのに何故おうち宣言なんてするんだろう? 動物だって、他の縄張りに入ったら戦う覚悟くらいあるのにwww ↓×8 貴方が言う彼は、きっと 「ルームランナーを改造し、オレンジジュースをこぼす」ことを 「モノを大切にしない人でなし」と言いたいんだろうww -- 2018-03-06 05 05 35 うん... -- 2019-07-11 23 23 14 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ -- 2019-12-31 16 21 23
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「ふたば系ゆっくりいじめ 1239 春のある日/コメントログ」 ・・・・れみりゃが襲った理由のこーまかんって誰の家?? -- 2010-07-04 22 04 59 飼い主の人の家だろ、たぶん -- 2010-07-13 21 16 14 とりあえず誤字がひどすぎる -- 2010-07-21 13 04 09 この羽付きシリーズ面白すぎだろ、、 俺が現代、元飼いゆ設定大好きなのもあるけど。 堕ちる姿っていいね -- 2010-07-24 16 33 58 イラスト見て思うんだがなんで幸せそうなゆっくりってものすごくムカつくっつーかいらつくのかな。ゆっくりなんてのはいつ何時でもあわれな泣き顔さらしてりゃいいんだよ。 -- 2010-08-03 23 25 32 ざまぁ こういう身の丈以上の夢を持つバカの自滅はゲスへの制裁と同じくらい好きだ -- 2010-08-09 07 07 55 イラストの赤ゆ共目玉くりぬいて歯をへし折たいな。 -- 2010-09-04 10 52 25 こういう自業自得の自滅はすっきりできるな。 -- 2010-09-04 13 43 06 幸せそうなゆっくりはぐちゃぐちゃに生き地獄を味あわせたいな。 -- 2010-09-18 12 29 10 狩りもしないありすざまぁww 男の人もゆっくりが集まって大変だな。 こういうのが多いとゆっくり対策グッズが売れそうだ -- 2011-01-13 12 34 44 ゆっくりによる花壇荒らしは本当に不愉快な気分になるな それだけに一家そろって惨たらしい目にあったのはゆっくりできる -- 2013-11-03 03 17 28 善良なゆっくりは酷い目にあってないじゃないか -- 2014-03-11 01 56 38